実説 城谷怪談
老若男女皆が楽しめる怪談語りを目指し、落語や講談にも似た独特な語り節、ノスタルジックな世界観に定評がある城谷歩による怪談。
幼い頃から自身でも不思議な怪体験を数多く持ち、更に聞き集めた種々の実体験を含めるとその数は数百にも及ぶ。
そうした現代の実話怪談、奇談の中から選りすぐりをお届けする。
内容紹介
「冷たい気配」(33分)
10年ほど前、沖縄在住のあゆみさんは、長くアルバイトをしていた勤め先からの勧めで
その会社の正社員になった。 アルバイト時代にはなかった福岡にある月々の本社への出張が新たな仕事に加わったそうである。会社は長くいて沖縄のメンバーや社風になじみはあるが、初めての出張はちょっとした旅行気分になったのを覚えている。 宿泊のホテルでは二人一組で、あゆみさんは周囲から疎まれている先輩女子社員と同部屋だった。 特に話が弾むわけでもなく宿に着いたが、どうやら普段利用しているホテルが空いておらず、めったに使わないホテルだったのだそうだ。とても陰気な暗い感じのする……。
「顔のない人」(31分)
ミホさんは中学生になってから所謂ヤンキーっぽい友達ができた。K子さんという女の子だった。 それまでおとなしい友人しかいなかったミホさんにとって刺激的であり、思い切り自分をさらけ出せる大切な相手だった。喧嘩したり大声で笑いあったり……。 そんな二人には絵を描くことが好きな共通点があり、同じころ美術の授業をするために彼女たちの学校に講師の先生がやってきた。ほかの先生たちと違い個性的で二人はすっかりファンになってしまい美術部まで立ち上がったのだが、1年ほど経ってこの先生が海外に勉強に行くため学校をやめることに。 そこで逆恨みした二人は先生を驚かせようとある計画を実行することにしたのだが……。
「カーブミラー」(26分)
亜紀さんという女性の体験である。その時亜紀さんは中学三年生だった。 授業が終わって帰宅し、自室で寛いでいると勢いよく玄関が空いてドタバタとあわただしい足音が部屋に向かってくる。血相を変えて入ってきたのは二つ年下の妹だ。 妹は先に帰宅し友達と遊びに行ってくると出かけていたはずだったから、どうしたのかと理由を尋ねると、学校で有名な噂になっていた霊が写るカーブミラーを見に行ったのだと打ち明けられた。 そしてそれは噂ではない。確かに妹と一緒に行った友達は見たという。いや、見たばかりではない、連れてきてしまったのだと。
「肝試し」(29分)
しおりさんが小学校5年生の時の事。自然学校という野外学習で1週間山の中にあるログハウスにクラスで宿泊するイベントがあった。 川遊びや飯盒炊飯など楽しい時間はあっという間に流れて最終日の夜は先生や父兄総出の肝試しで締めくくりとなった。1班男女6人混合のグループで真っ暗な1本道を懐中電灯一つにビデオカメラ1台を渡されて行って来いするのだが、出発前に先生がありもしないお化けの話をするのでドキドキしながらスリル満点だった。 ところがありもしないことが現実に起きてしまうとは夢思いもしなかったのである。
城谷 歩(しろたに わたる) プロフィール
1980年2月16日生 北海道小樽市出身
15歳から舞台演劇を中心に俳優活動を始める。
その後、劇団深想逢嘘(2000年〜2011年)を発足、主宰を務める。
様々な職種を経て2012年1月怪談師デビュー。怪談ライブバー スリラーナイト札幌本店で活動後、2014年から同六本木店オープンに合わせ上京。
外部出演、独演会開催、メディアへの出演多数。
2018年独立。公演情報などはHPにて。
http://shirotani-kwaidan.com
■メディア
・「所さんの目が点」
・「大人養成所バナナスクール」
・「Rの法則」
・「柴田阿弥の金曜thenight」
他多数
■書籍
・恐怖怪談「呪ノ宴」(竹書房 単著)
・怪談師恐ろし噺「裂け目」(竹書房 単著)
■DVD
・「怪奇蒐集者」(楽創舎)
・「六本木怪談 呪・祟」(楽創舎)
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