実説 城谷怪談
老若男女皆が楽しめる怪談語りを目指し、落語や講談にも似た独特な語り節、ノスタルジックな世界観に定評がある城谷歩による怪談。
幼い頃から自身でも不思議な怪体験を数多く持ち、更に聞き集めた種々の実体験を含めるとその数は数百にも及ぶ。
そうした現代の実話怪談、奇談の中から選りすぐりをお届けする。
内容紹介
「貰い事故」(33分)
霊感の強いある女性の体験。 私事でいろいろと思い悩み心身ともに疲弊していたそのころ、息子たちを幼稚園に送り届けた帰り道で自分の意思に反してあわや命を落としかけた。 天気のいい日、早稲田通りのクリーニング店に立ち寄り、預けていた夫の洗濯物を受け取って自宅に帰ろうとしていた時だ。道の角にある赤茶色のタイル張りのマンションの前まで来るとふと足が止まった。 直後ドスン!グチャ!という地鳴りにも似たすさまじい音を立てた足元の地面には上から飛び降りたであろう男性が、腰からめり込むように埋まっていた。
「峠の先に」(27分)
どの町にも地域の人の間では割と有名な曰く付きの場所や、立ち入らないルールのようなものがあったりするが...。 ノブヤさんは当時20代後半、社会人としての生活にも慣れ、収入も安定したことを契機にずっと欲しかったスポーツカーを手に入れた。
季節は冬近い秋の終わり、彼女を紅葉狩りに誘い出した。 行先も決めずにやってきた山でひとしきり景色を楽しむとさらにもう少しと足を延ばしたのだが、気付くと次第に辺りは暗くなり、近道で帰ろうと入った峠で思いもよらぬ出来事に巻き込まれていく。
「新居の住み方」(31分)
ちあきさんの亡くなったお爺ちゃんは大工だった。 そのお爺ちゃんが生前言っていたことの一つに、新居や改築された場所には必ず一日置いてからでなければ住んではいけないという決まりがあった。残念ながらなぜかという理由を聞くこと叶わず他界してしまったのだが、迷信のようなこの教えを確かに守った方が良かったのだと思い知らされるような事が起きたのである。 中学生のころ妹と共用の子供部屋を改築したのだ。ちあきさんも妹も新しくなった部屋が嬉しくて、お爺ちゃんの話は覚えていながら、完成したその日のうちにその部屋を利用し始めた。 まさか恐ろしいモノが待ち受けていたとも知らずに。
「読まれた心」(25分)
ヒーさんは金縛りによく遭う。思い起こせば最初は小学生の頃のことだ。 学校帰りにちょっと昼寝のつもりで横になったらそのまま寝てしまい、やがて体が重くて目が覚めた。目と頭は動くのに体がピクリとも動かない。 何だろうとみるとなんと胸の上に見知らぬ眼鏡をかけた男が正座していたというのだ。幼いながら生きている人ではないとわかったが不思議と恐怖心は湧かなかった。 そんな風にしてたびたび金縛りの体験を重ねていくのだが、恐怖心を覚えることもあった折、気持ちを強く持っていればそうした存在をはねのけられると実感できたことも手伝い油断が生じていたのかもしれない。 大人になった最近、恐怖しないヒーさんをあざ笑うかのようにそれは横に忍び寄ってきた。
城谷 歩(しろたに わたる) プロフィール
1980年2月16日生 北海道小樽市出身
15歳から舞台演劇を中心に俳優活動を始める。
その後、劇団深想逢嘘(2000年〜2011年)を発足、主宰を務める。
様々な職種を経て2012年1月怪談師デビュー。怪談ライブバー スリラーナイト札幌本店で活動後、2014年から同六本木店オープンに合わせ上京。
外部出演、独演会開催、メディアへの出演多数。
2018年独立。公演情報などはHPにて。
http://shirotani-kwaidan.com
■メディア
・「所さんの目が点」
・「大人養成所バナナスクール」
・「Rの法則」
・「柴田阿弥の金曜thenight」
他多数
■書籍
・恐怖怪談「呪ノ宴」(竹書房 単著)
・怪談師恐ろし噺「裂け目」(竹書房 単著)
■DVD
・「怪奇蒐集者」(楽創舎)
・「六本木怪談 呪・祟」(楽創舎)
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