市朗怪全集とは
実話系怪談のパイオニア、『新耳袋』シリーズの著者の一人が、語りで送る怪談全集!
1990年代に巻き起こったJホラー・ブームを牽引した実話怪談界の大御所が、満を持して登場する!!
全てが実話。この現代に現れた闇と異界の世界を聴け!!
内容紹介
黒い男たち (10分)
私(中山市朗)が大学生の頃の話。ある人物から、UFOの写真を撮った小学生の留守中に、身長2メートル近い黒づくめの二人組の男が母親の元に現れ、その後行方不明になったという話を聞く。
それは実話のようで、それはのちにメン・イン・ブラックといわれる工作員ではないかと知る。
黒い男たち2 (15分)
その話を後輩が社員研修の場で何げに話したという。「何の話?」という同僚たちの反応の中、一人の女性が「その話、私も経験したかも」と顔面蒼白となる。
彼女は大学の卒業旅行をしていてUFOの写真を撮ろうとして、同じような二人組に声をかけられたが友人の機転で助かったのだという。
謎の山道 (12分)
大学で映画の製作をした。私の故郷近くでのロケ。あるシーンを撮るために我々は見知らぬ、車一台がかろうじて走れる細い山道を走った。少し進むと、ドラム缶が道端に置いてあるのが見える。あと20ルートル、15メートル、10メートルと白ペンキ。そして終点。車を降りるとそこは…。
謎の宿舎 (13分)
廃牧場だった。赤い屋根の長い牛舎。ところが不可解なことが多く見受けられた。宿舎らしき二階建ての建物もある。ところがここに階段というものが無い。
どうしても二階が見たくなり崖を利用して庇を利用して裏窓から入った。信じられない光景が二階の部屋にあったのだった。
事務所 (14分)
宿舎の隣に事務所らしき建物が。ここも階段が存在しない。中に入るといきなり高さ2メートルに近い巨石が置かれている。出入口のドアより大きい。
大量の神社のお札か壁や天井に隙間なく貼りつけてある。ここは一体?
UFO基地 (13分)
その夜、廃牧場に迷い込んだ我々は地元の友人にそのことを報告するが、牧場の存在は誰も知らなかった。しかも、そこには階段が無いだけではなくトイレも風呂場も台所も無かったことを思い出す。
誰かがUFO基地ではないかと言い、翌日役場に聞き取りに行った友人は、あの山に牧場は無いがUFO目撃の情報が寄せられているという。
行方不明 (10分)
ある日、その牧場を探し当て写真を撮ったという後輩から電話があった。撮ったのは彼の友人で、私は電話で彼と会話をして、撮った状況を聞かせてもらった。
その写真を私のところへ送ると約束してくれたのだが、その後彼の消息が絶たれることになる。後輩が実家を訪ねたところ…。
実況電話 (3分)
山の牧場に迷い込んだ際、車の運転をしていたF君は小学校の先生となっていたが、彼から今、職員室で峡東以下大勢の先生が、小学校上空を飛ぶUFOを目撃しているという実況電話があった。
その小学校は牧場のある山の麓の学校で、UGOは母船のようで牧場のある山へ向かっているという。
空洞 (7分)
地元の友人から報告があった。その山に牧場があることは知らなかったが、山のことは知っていて地元の人たちは初夏になると山の芝刈りの奉仕作業をするという。
その際、ある場所で四股を踏むと山が響くという。山はそのものは空洞になっていて…。
牧場へ再び (16分)
小学校のF先生がなんと山の分校に赴任した。都会から二人児童が来たため、久々に開校したという。そして本校の児童たちとあの牧場でキャンプをするという話になっているという。
牧場は今は経営されているらしい。さっそく牧場に行ってみたのだが、謎はますます深まった。
消えた庇(ひさし) (4分)
山は空洞だと説いた地元出身の友人が、牧場に行って写真を撮ったという。牧場は無人で確かに階段も無く巨石もあったという。
写真を見せてもらうと建物に庇が無い。では我々はどうやって二階の部屋に上がったのだ?そしていろいろなものが消滅していた。
中山 市朗(なかやま いちろう) プロフィール
作家、怪異収集家
1982年、大阪芸術大学映像計画学科卒業。映画の助監督や黒澤明監督の『乱』のメイキングの演出などに携わる。
1990年、扶桑社から木原浩勝との共著で『新耳袋〜あなたの隣の怖い話』で作家デビュー。『新耳袋』はそれまでただ怪談で括られていたものから、実話だけにこだわり百物語を一冊の著書で実現化させた。
『新耳袋』は後にメディアファクトリーより全十夜のシリーズとなり復刊。『怪談新耳袋』として映画やドラマ、コミックとして展開。
Jホラーブームを作った作家や映画監督に大きな影響を与え、ブームをけん引することになる。
著書に『怪異異聞録・なまなりさん』『怪談実話系』『怪談狩り』シリーズなどがある。
怪談は語ることが重要と、ライブや怪談会、放送などでも積極的に怪談語りを行っている。その他の著書に『捜聖記』『聖徳太子・四天王寺の暗号』『聖徳太子の「未来記」とイルミナティ」など多数。
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