市朗怪全集とは
実話系怪談のパイオニア、『新耳袋』シリーズの著者の一人が、語りで送る怪談全集!
1990年代に巻き起こったJホラー・ブームを牽引した実話怪談界の大御所が、満を持して登場する!!
全てが実話。この現代に現れた闇と異界の世界を聴け!!
内容紹介
新耳袋に関する話(1)フリーズ (8分)
『新耳袋』の原稿を書き上げると担当の編集がそれを預かり様々な最終工程の作業を行う。ただ、この時に奇妙なことが頻繁に起こった。まず、コンピューターがフリーズする。
新耳袋に関する話(2)会議室の声 (7分)
『新耳袋』はドラマ化されたりCD-ROMになったりした。そのたびに出版会社の会議室で打ち合わせをする。ところが会議室でも奇妙なことは続出した。
サウンドトラックCD (9分)
『新耳袋』執筆中の出来事。あるサントラCDを聞きながら原稿を書いていた。途中トイレに行って戻って見ると、ありえないことが起きていた。それは…。
走る靴音 (7分)
私は作家養成の為の私塾を運営している。ある夜遅く、塾のスタッフから電話があった。「今、幽霊が教室の前の廊下を走っている」というのだ。しかし、教室の前に廊下はない。だが電話口から確かに聞こえるのだ。誰かが走る残響音…。
謎の通信 (5分)
ある冬の事。電話のコール音もなくいきなり数十枚の怪談の原稿がファックスで送られて来た。ところが、その日付が妙なのだ。よくよく調べて見ると、あり得ないことが起きていた。
抱擁 (7分)
幽霊に抱擁されたことがあると言ったら、信じてもらえるだろうか? 幽霊に懐疑的な私の、これは体験談である。しかも真昼間の出来事であった。
腕 (11分)
Mさんという映画の技師がロケの為、大阪の某ホテルに泊まった。ところが真夜中、ホテルの窓に張り付いたものがある。両手の手のひらだ。それが窓をすり抜けて入ってくる。Mさんは慌てて部屋を出たが、そこでもっと恐ろしいことが待ち受けていた…。
ちょっと兄ちゃん (11分)
あるブテック店。お客さんもお店のスタッフもこの店に幽霊がいると確信しだした。ところが店長はまったく信じない。合理的思考で全てを否定する。その店長がある日、霊媒師を呼ぼうと言いだした。ある体験をしたという…。
もしもし (6分)
T君という教え子が「これを聞いてください」と携帯電話に録音された声を聞かされた。「もしもし」という細い女の子の声。この声のヌシについての奇妙な話があるという。
着せ替え人形 (19分)
Sさんという女性は幼い頃、着せ替え人形を両親に買ってもらった。しかし気に入らないので押し入れの奥に突っ込んでいた。ところが、どうも夜な夜な歩き回っている気配がある。ある日、お母さんからショッキングな事実を知らされる。
河原のこども (12分)
ある高校生が友人二人とある山にキャンプに行った。夜空を眺めながら河原で語っていると小石が降ってくる。そして河原の向こう岸には幼い女の子が立っていた。そしてその子は川面をすべるようにこっちへと来る。命の危険を察した。なぜなら…。
殺される (13分)
ある女性の子供の頃の記憶だ。ある夜、二階で寝ていた父が階段を駆け下りてきて「母さん、知り合いに霊能者がいたら来てもらってくれ」という。父はここ数日、不気味な夢を連続して見たという。自分の命を狙う女の夢。だが夢では済まされないことがあった。父は確実に殺されると怯えている…。
中山 市朗(なかやま いちろう) プロフィール
作家、怪異収集家
1982年、大阪芸術大学映像計画学科卒業。映画の助監督や黒澤明監督の『乱』のメイキングの演出などに携わる。
1990年、扶桑社から木原浩勝との共著で『新耳袋〜あなたの隣の怖い話』で作家デビュー。『新耳袋』はそれまでただ怪談で括られていたものから、実話だけにこだわり百物語を一冊の著書で実現化させた。
『新耳袋』は後にメディアファクトリーより全十夜のシリーズとなり復刊。『怪談新耳袋』として映画やドラマ、コミックとして展開。
Jホラーブームを作った作家や映画監督に大きな影響を与え、ブームをけん引することになる。
著書に『怪異異聞録・なまなりさん』『怪談実話系』『怪談狩り』シリーズなどがある。
怪談は語ることが重要と、ライブや怪談会、放送などでも積極的に怪談語りを行っている。その他の著書に『捜聖記』『聖徳太子・四天王寺の暗号』『聖徳太子の「未来記」とイルミナティ」など多数。
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