市朗怪全集とは
実話系怪談のパイオニア、『新耳袋』シリーズの著者の一人が、語りで送る怪談全集!
1990年代に巻き起こったJホラー・ブームを牽引した実話怪談界の大御所が、満を持して登場する!!
全てが実話。この現代に現れた闇と異界の世界を聴け!!
内容紹介
Fさんの告別式 (12分)
デイサービスの車を運転しているKさんは、一人暮らしをしている98歳になるFさんの送迎を担当していた。だがある日家族から「入院したので中止して」との連絡があった。
着信記録 (13分)
同じKさん。愛子さんという80歳のお婆さんの送り迎えをしていた。ある日上司から「今、愛子さんの親せきの人から連絡があって、すぐ家に帰してくれ」と言われ、早急に愛子さんを家に送った。しかし家の前には出迎えもいない。
家族はいたが、そんな電話はしていないし親戚も来ていないという。上司に確かめてみるとその日はなんと…。
人形供養 (18分)
和歌山県に有名な人形供養の神社がある。Cさんはその神社で写真を撮ったのだが、一枚だけ人形の顔のクローズアップが写っていた。しかしそこは庭で人形などない。
後日、友人と訪れてもう一度写真を撮ると。
不可解なことが連続して起きたのは、その帰り道でのことだった…。
真夜中の老婆 (4分)
ある夜遅く、暴走族が国道でパトカーに追われた。Kさんと2人の仲間は山道へと逃げ込んだ。奈良の山の中。明かりはないが飲料水の自動販売機だけが光を放っているカーブへと来た。
見ると、その自販機の横に老婆が立っていた。ゾッとしながら走り抜けたのだが、後日この老婆の正体を知ることとなる…。
中古車 (7分)
友人が中古車店を開業したと聞いて、Eさんが車を借りに行った。すると一晩の約束でベンツを貸してくれたのだ。友人たちとそのベンツに乗って心霊スポットへ行った帰りのこと。
後部座席で妙な現象が起こった。返却時にそのことを言うと友人は「これは事故車で…」と、とんでもない告白をしたのだ。
ご先祖様 (12分)
今はタクシーの運転手をしている男性。昔は賭博関係に従事していて周りの知人たちも、ヤクザやチンピラのような人間ばかりで碌なことは無かったという。ところが今はこのように堅気の仕事をして、周囲の人たちもいい人ばかりになったという。
そのきっかけはご先祖様とあってからだという…。
進級できた (12分)
大阪出身ながら事情があって大分の高校に通ったHさん。言葉も土地も馴染めず学校も休みがちとなった。ところが3月のある日「おい、ええかげん起きて、学校へ行けや」という声で目が覚めた。
懐かしい関西の言葉と聞き覚えのある声。その日は学校へ行き、後に気になって旧友に電話をしてみた。旧友は亡くなっていた。だがその日学校へ行ったおかげで…。
結婚式場 (20分)
Eさんの友人が亡くなった。結婚式場で働く後輩だった。Eさんは葬式には行かなかったが四十九日には遺族の方と会って話をしたのだ。
すると、彼の職場で会った式場で怪異が起こっているという。どうやら彼は成仏していないらしく…。
青山墓地 (6分)
あるタクシーの運転手。夜中にコールセンターから「青山墓地でお客さんの送迎に行くように」と言われた。こんな夜中にと訝りながら指定された場所に行く。誰もいない。 センターに問い合わせると「今、お客さんはそっちへ向かっている」という。しかし来ない。直接連絡してみると…。
中山 市朗(なかやま いちろう) プロフィール
作家、怪異収集家
1982年、大阪芸術大学映像計画学科卒業。映画の助監督や黒澤明監督の『乱』のメイキングの演出などに携わる。
1990年、扶桑社から木原浩勝との共著で『新耳袋〜あなたの隣の怖い話』で作家デビュー。『新耳袋』はそれまでただ怪談で括られていたものから、実話だけにこだわり百物語を一冊の著書で実現化させた。
『新耳袋』は後にメディアファクトリーより全十夜のシリーズとなり復刊。『怪談新耳袋』として映画やドラマ、コミックとして展開。
Jホラーブームを作った作家や映画監督に大きな影響を与え、ブームをけん引することになる。
著書に『怪異異聞録・なまなりさん』『怪談実話系』『怪談狩り』シリーズなどがある。
怪談は語ることが重要と、ライブや怪談会、放送などでも積極的に怪談語りを行っている。その他の著書に『捜聖記』『聖徳太子・四天王寺の暗号』『聖徳太子の「未来記」とイルミナティ」など多数。
|