市朗怪全集とは
実話系怪談のパイオニア、『新耳袋』シリーズの著者の一人が、語りで送る怪談全集!
1990年代に巻き起こったJホラー・ブームを牽引した実話怪談界の大御所が、満を持して登場する!!
全てが実話。この現代に現れた闇と異界の世界を聴け!!
内容紹介
千日前怪談 前説 (3分)
大阪市内にミナミと呼ばれる繁華街がある。難波、道頓堀、千日前、心斎橋…。
その千日前に噂される怪談、千日前怪談を語る。
寿司屋の女 (10分)
私(中山)の体験談である。ある仕事の打ち合わせで何人かと千日前の寿司屋さんに入った。そのカウンター席に水商売風の30代の女性が座っていたのだが…。
地下のシャッター (7分)
千日前の地下街にあったハンバーガー・ショップの店長。閉店後一人で残業をしていると何度も店のシャッターを叩かれた。不審者だと思い警備員に通報したが、その返答は「ここ、千日前やから…」
解説・千日前とは (8分)
「ここ、千日前やから」。地元の人はこの言葉の意味を理解する。この辺りは昔から幽霊目撃談、怪異現象の数々が語られる場所なのである。
おしゃれさんインタビュー (10分)
ある女子中学生の二人が、雑誌のインタビューを受けようと心斎橋へやって来るが、途中トイレに行こうと当時オープンしたての千日前のPデパートに立ち寄る。そのトイレでおそろしいことが起こる…。
解説・千日デパート火災事故 (7分)
二人が立ち寄った千日前のPデパート。そこは元千日デパートが建っていた場所である。1972年の5月、その千日前デパートで史上最悪のデパート火災事故が発生、大勢の死傷者を出していた。それ以後、幽霊談が囁かれはじめたのである。その火事の状況などを詳しく解説する。
千日前小怪談集 (5分)
千日デパートの犠牲者の霊と思われる怪談短編集。焼け跡の路地で、屋台のラーメン屋で、向かいの映画館で、千日前の通りで、商店街のアーケードで…。
エレベーターガール (7分)
焼け跡となった千日デパートは長い間塀に囲まれた更地であったが、後にPデパートとして再建された。しかしこのデパートにはエレベーターガールがいなかったのだ。最初はいたらしい。いなくなったのには原因があるという。それにまつわるある録音スタジオの部長の体験談。
警備員と地元の人の証言 (11分)
千日前にある警備会社の主任さんから聞いた話。ある警備室の一室には千日デパートの犠牲者の数の位牌があるという。その部屋でお盆が近づくと頻発して起きる怪異があったという。それは…。
千日前の歴史を辿る (16分)
千日前に出る幽霊たちは、デパートの犠牲者とは限らない。この辺りは江戸時代は処刑場を含む巨大墓地であり、明治のミナミの大火災、昭和の大空襲という暗黒の歴史を繰り返したのである。その歴史を振り返る。p>
千日墓所の話 (14分)
秀吉の大坂城落城から大阪の歴史は始まる。このときすでに今の千日前は墓所と指定され、罪人や無縁仏も葬られた。千日前という地名もそこに由来する。千日墓所とはどういうものだったのか?
ヨシモト怪談 (6分)
千日前にはお笑いのメッカ、吉本興業の本拠地NGKがある。ここにも様々な怪異が噂されている。いくつかを紹介してみよう。
千日前の居酒屋 (6分)
田舎から大阪へやって来た若い女性。千日前の居酒屋でアルバイトをはじめたが、初日に店長に言われた。「お客さんから幽霊見たと報告されても気のせいでしょうと言うとけ」と。そしてその夜、さっそく奇妙なことを幾つも目撃する。
千日前怪談を語ると… (10分)
3年ほど前、私は「千日前怪談」についてライブ会場で語ったことがあった。この時、ゲストと何人かのお客さんからある違和感を持ったとSNSで騒がれたのである。それが千日デパートやミナミの大火などとリンクする出来事だったのだ。
中山 市朗(なかやま いちろう) プロフィール
作家、怪異収集家
1982年、大阪芸術大学映像計画学科卒業。映画の助監督や黒澤明監督の『乱』のメイキングの演出などに携わる。
1990年、扶桑社から木原浩勝との共著で『新耳袋〜あなたの隣の怖い話』で作家デビュー。『新耳袋』はそれまでただ怪談で括られていたものから、実話だけにこだわり百物語を一冊の著書で実現化させた。
『新耳袋』は後にメディアファクトリーより全十夜のシリーズとなり復刊。『怪談新耳袋』として映画やドラマ、コミックとして展開。
Jホラーブームを作った作家や映画監督に大きな影響を与え、ブームをけん引することになる。
著書に『怪異異聞録・なまなりさん』『怪談実話系』『怪談狩り』シリーズなどがある。
怪談は語ることが重要と、ライブや怪談会、放送などでも積極的に怪談語りを行っている。その他の著書に『捜聖記』『聖徳太子・四天王寺の暗号』『聖徳太子の「未来記」とイルミナティ」など多数。
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