市朗怪全集とは
実話系怪談のパイオニア、『新耳袋』シリーズの著者の一人が、語りで送る怪談全集!
1990年代に巻き起こったJホラー・ブームを牽引した実話怪談界の大御所が、満を持して登場する!!
全てが実話。この現代に現れた闇と異界の世界を聴け!!
内容紹介
赤信号 (6分)
ある男性が、夜道の中、赤信号なのに横断歩道から道路に飛び出す若い女性を見た。そこへヘッドライトを照けた車が通り掛かり、明らかに女性は跳ねられた。はずだった。信じられないことがその時起こったのである…。
1908 (7分)
ある国道で、男が車に跳ねられた。その体は対向車線から来るトラックにも跳ねられ、物凄い音と衝撃があった。しかし男の姿はなく、1908と書かれた一足の革靴だけが残されていた。この革靴を調べてみると信じられないことがわかり…。
鴨居 (6分)
あるサラリーマンは妹とマンションに住んでいた。ある夜中から何日かに掛けて、部屋にハンガーが浮き、そこに浴衣がかかり、人の足が生えて来るという怪異を見た。それが日を追って部屋の鴨居の部分に近づいている。その向こうは妹の部屋だ。妹も見たという…。
小さくなる (10分)
ある人が京都の一軒家に引っ越した。夜、玄関のチャイムが鳴ると誰かが中に入って来る気配と物音がするようになった。見えない人が来ている。そして毎日の繰り返しの中、この現象が徐々に変化していっていることに気が付いた。
父の名 (11分)
ある男性の話。徹夜の仕事の無理がたたって、実家の父親のベッドで寝てしまった夜のこと。夜中、父の名を呼ぶ声がした。同じころ親戚の叔母もそれを聞いたという。なんだか気になって父を病院に連れて行くと、ある病名を告げられた…。
横向き (11分)
都内のワンルームマンションに住む男性。帰宅して電気をつけた瞬間、妙なものを見るようになった。天井や床に向かって壁を歩く横向きの人たちだ。そしてその正体を知ってゾッとするのである。
閉鎖された病院 (10分)
専門学校の学生たちが心霊スポットとして有名な廃病院で映画のロケを行った。撮影中は何事もなかったが、編集時に無人だったはずの廊下にあるものが映っていることに気が付いた。
水 (4分)
映画監督のSさんが、恐怖ビデオの担当をした時のこと。事務所には投稿されてきた大量の心霊写真がいっぱい詰まった段ボール箱が置いてあった。これを事務所の社長や事務の女の子が気味悪がるのだ…。
俯瞰の構図 (7分)
広告写真の撮影隊が崖の近くで撮影をしていた。そこに一人の中年男性がやって来て、現場を横切ると崖から飛び降りた。撮影は中止。後日その遺族から「父の姿が写っていないか」と問い合わせがあった。現像してみると鳥肌の立つ写真が紛れ込んでいた…。
広告写真 (4分)
カーオーディオの広告写真を撮っていたカメラマン。カメラを通すと車の中に霧が発生している。しかし肉眼では見えない。後に現像された写真を見るとそれは霧ではなく人であった。しかもそれは…。
フランス人 (5分)
ある女性が夜勤の帰り、コンビニに寄った。すると駐車場で声がする。スマホの声が漏れているのではと思ったが違う。人影はないが声がハッキリ聞こえて来る。なんとそれはフランス語だった
酔っ払いの会話 (9分)
大学生数人が宅飲みをした。すると一人の学生が誰もいないのに誰かと話を始めだした。その相手は江戸時代この辺りに住んだ百姓であるという。嘘だろと思うがある場所へ来てくれと言われて行くことになった。
みさよちゃん (5分)
みさよという女性の幼いころのこと。近所の神社の境内で一人で遊んでいると自分を呼ぶ声がする。その声に返事をすると呼ぶ声が増えていく。幼心にもこれはおかしいと気づくが声は止まない…。
黄色い布 (15分)
ある女性は、幼いころ、近くの公園で遊んでいると向こうの電柱の影に黄色い布が見えだしたという。どんどんそれが近づいてくるのだが、そこから本人に記憶がない。家族はその時、彼女は神隠しにあったのだと言う。その日の夜のこと…。
母 (4分)
ある人の母が末期がんを宣告された。入院した母の看病をしていると誰もいない病室に笑い声がして、同時にあるイメージが脳裏に浮かび上がって来た。しかしそれは、母が亡くなった後でも現れるようになる。それは死神のように思われ…。
中山 市朗(なかやま いちろう) プロフィール
作家、怪異収集家
1982年、大阪芸術大学映像計画学科卒業。映画の助監督や黒澤明監督の『乱』のメイキングの演出などに携わる。
1990年、扶桑社から木原浩勝との共著で『新耳袋〜あなたの隣の怖い話』で作家デビュー。『新耳袋』はそれまでただ怪談で括られていたものから、実話だけにこだわり百物語を一冊の著書で実現化させた。
『新耳袋』は後にメディアファクトリーより全十夜のシリーズとなり復刊。『怪談新耳袋』として映画やドラマ、コミックとして展開。
Jホラーブームを作った作家や映画監督に大きな影響を与え、ブームをけん引することになる。
著書に『怪異異聞録・なまなりさん』『怪談実話系』『怪談狩り』シリーズなどがある。
怪談は語ることが重要と、ライブや怪談会、放送などでも積極的に怪談語りを行っている。その他の著書に『捜聖記』『聖徳太子・四天王寺の暗号』『聖徳太子の「未来記」とイルミナティ」など多数。
|