実説 城谷怪談
老若男女皆が楽しめる怪談語りを目指し、落語や講談にも似た独特な語り節、ノスタルジックな世界観に定評がある城谷歩による怪談。
幼い頃から自身でも不思議な怪体験を数多く持ち、更に聞き集めた種々の実体験を含めるとその数は数百にも及ぶ。
そうした現代の実話怪談、奇談の中から選りすぐりをお届けする。
内容紹介
「やってきた少女」(31分)
清さんは小さい頃から夢をよく見る気質だった。どの夢も鮮明、加えて正夢や予知夢も頻繁にみるうえ、最近は悪夢が殆どで寝るのがつらく、不眠気味なのだという。 26歳のある時期、二日続けて悪夢を見ない日があって、しばらくぶりに安眠を得られて安堵していた三日目、思いもよらぬ嫌な夢を見た。夢の中の時分は幼いころお世話になっていた叔母の家にいるのだそうだ。 不思議なことに全面ガラス張りの家の玄関に誰かが訪ねてきた。
「都会の隅の特等席」(31分)
Kさんという女性の体験談。30年ほど前の事だ。 父親の借金の肩代わりで、急に大きな借財を抱えることになった若いころ、手っ取り早く返済するために勤めたのは新宿歌舞伎町の古いビルの3階にあったバーだった。この店ではカウンター前に大きなソファ席があり、開店前にはホステスさんたちの待機所でもあったそうだが、角の席は霊感の強いMさんの特等席だった。 単にお気に入りなのだろうと思っていたが……。
「黒い瞳」(30分)
Nさんという女性がまだ子供の頃の体験談。両親と姉、妹、本人の五人家族で住んでいたのは古い二階建ての一軒家だったが、表通りからは二軒並びの家の間を進んだ奥に立っている非常に窮屈な家だったそうだ。 家の周りはぐるり囲むようにブロック塀が建っていて、外壁とブロック塀との間は大人一人も通り抜けが困難なほど狭い。 ところがある日、この狭い隙間から人の声が聞こえるのだ。確認しに出てみると人の姿はない。かと思えば、窓越しに早足で通り過ぎる影を見たり。 何かがうごめいているのがわかった。
「そこに棲まう者」(22分)
アリカさんとお母さんは仲のいい母娘だが、二人とも霊感が強いという共通点がある。
尤もそのことがあるまでは霊感の自覚があったのはお母さんだけだったようであるが……。 アリカさんが中学1年生の頃、当時住まいしたばかりの分譲マンションの外廊下や、玄関先に見知らぬ女の霊が現れるようになったのをお母さんはいち早く気づいていたが、夫や娘には見えないだろうし、屋内に入ってくるでもないからとみて見ぬふりをしていたそうだ。 しかし、これはすべての序章に過ぎないことをまだその時は誰も知る由がなかった。
城谷 歩(しろたに わたる) プロフィール
1980年2月16日生 北海道小樽市出身
15歳から舞台演劇を中心に俳優活動を始める。
その後、劇団深想逢嘘(2000年〜2011年)を発足、主宰を務める。
様々な職種を経て2012年1月怪談師デビュー。怪談ライブバー スリラーナイト札幌本店で活動後、2014年から同六本木店オープンに合わせ上京。
外部出演、独演会開催、メディアへの出演多数。
2018年独立。公演情報などはHPにて。
http://shirotani-kwaidan.com
■メディア
・「所さんの目が点」
・「大人養成所バナナスクール」
・「Rの法則」
・「柴田阿弥の金曜thenight」
他多数
■書籍
・恐怖怪談「呪ノ宴」(竹書房 単著)
・怪談師恐ろし噺「裂け目」(竹書房 単著)
■DVD
・「怪奇蒐集者」(楽創舎)
・「六本木怪談 呪・祟」(楽創舎)
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