実説 城谷怪談
老若男女皆が楽しめる怪談語りを目指し、落語や講談にも似た独特な語り節、ノスタルジックな世界観に定評がある城谷歩による怪談。
幼い頃から自身でも不思議な怪体験を数多く持ち、更に聞き集めた種々の実体験を含めるとその数は数百にも及ぶ。
そうした現代の実話怪談、奇談の中から選りすぐりをお届けする。
内容紹介
「屋敷蛇」(25分)
優香さんは不思議な体験がたくさんあるそうですが、血筋や因縁が関係しているほかに目に見えてはっきりと印象している出来事があるそうです。 最初の記憶は幼少期に住んでいた祖母の家だったそうです。そもそも祖母が非常な霊感者だったそうですが、早逝されており優香さんは話でしか聞いたことがなかったそうです。 この祖母の住んでいた家で出るはずもないのにベランダで白蛇に遭遇したことがありました。誰に教わったわけでもないのに、神様だと思ったそうですが、確かに蛇は家の守り神として屋敷蛇と呼ばれたり致します。 大事にすれば利益を、邪険にすると祟りが……
「お前だよ」(23分)
木村さんは定時制の工業高校の夜間部出身です。通っていた高校の授業は専門科目には力を入れていたそうですが基礎科目はおざなりでいつもクラスは雑談でにぎわっておりました。 その日も理科の授業中に昨日出かけた六甲の心霊スポットである廃ホテルに散策に行った話で盛り上がっていると斎藤先生が「幽霊など見ない方がいい」と言い出しました。どうやら先生は霊体験があるというのです。 話したくない、思い出すのも嫌だという先生にしつこくせがむと、ようやく重い口を開きました。 それは先生が教職について間もない時の出来事。
「殺すぞ 前編」(21分)
木村さんという五十代の男性が覚えていた話。兵庫県に生まれ育った木村さんの近所に地元でも乱暴者で有名なIさんという男性がおりました。 木村さんよりも一回りも年上の人で、おはようやこんばんはという挨拶の代わりに決まって「何しとんねん」とすごんでくるというんですから、よほど短気だったんでしょう。ちょっとすると「もっぺん言ってみ」と堪忍袋の緒が切れて、言葉よりも手が先に出るという。 ですがただの乱暴者ではありません、曲がったことが嫌いな人情家でした。 ですが、Iさんは幽霊に向かっては容赦なく「殺すぞ」と挑むのです。「殺すぞ」というようになったきっかけは想像できないものでした。
「殺すぞ 後編」(28分)
Iさんは学生時代とても仲のいい二人の友人がいて、三人はいつも連れ立っておりましたから周囲からは「三羽烏」などと言われておりました。 しかし高校卒業を機にF君は東京の大学に、K君は大阪の工場に、Iさんは地元神戸に残って稼業の工務店を引き継いでと、ばらばらになってしまったそうです。 そうこうするうちK君の訃報が届きました。悪い女につかまり多額の借金を背負わされた上にその女は姿をくらまし、将来を悲観しての自殺でした。すぐにF君に連絡をと思っていたのですが、F君は大学を休学し海外支援のプロジェクトに参加していて連絡が付きませんでした。 一人で葬儀に参列してからしばらく、風の噂でF君が地元に戻っていると知ってIさんは会いに行ったのですが……。
城谷 歩(しろたに わたる) プロフィール
1980年2月16日生 北海道小樽市出身
15歳から舞台演劇を中心に俳優活動を始める。
その後、劇団深想逢嘘(2000年〜2011年)を発足、主宰を務める。
様々な職種を経て2012年1月怪談師デビュー。怪談ライブバー スリラーナイト札幌本店で活動後、2014年から同六本木店オープンに合わせ上京。
外部出演、独演会開催、メディアへの出演多数。
2018年独立。公演情報などはHPにて。
http://shirotani-kwaidan.com
■メディア
・「所さんの目が点」
・「大人養成所バナナスクール」
・「Rの法則」
・「柴田阿弥の金曜thenight」
他多数
■書籍
・恐怖怪談「呪ノ宴」(竹書房 単著)
・怪談師恐ろし噺「裂け目」(竹書房 単著)
■DVD
・「怪奇蒐集者」(楽創舎)
・「六本木怪談 呪・祟」(楽創舎)
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