実説 城谷怪談
老若男女皆が楽しめる怪談語りを目指し、落語や講談にも似た独特な語り節、ノスタルジックな世界観に定評がある城谷歩による怪談。
幼い頃から自身でも不思議な怪体験を数多く持ち、更に聞き集めた種々の実体験を含めるとその数は数百にも及ぶ。
そうした現代の実話怪談、奇談の中から選りすぐりをお届けする。
内容紹介
「クウェン君のこと 其の一」(30分)
関西で塗装会社の課長を務める木村さんという五十代の男性の体験談。 彼の勤める会社では数年前からベトナム人研修生を雇用している。初めこそ少ない人数だったが18人もの研修生が働くようになり、会社は研修生用の寮を用意せねばならなくなった。 社長が見つけてきたのが一棟に3LDKの部屋が4つ入っているというタイプの集合住宅3棟だった。不動産に掛け合うともともとは賃貸だったが事情を説明すると破格で売却してくれるという。 ここにベトナム人研修生が引っ越したのだが、引っ越しの落ち着いたころ古参の優秀なクウェン君に異変が起き始めた。
「クウェン君のこと 其の二」(25分)
勤務態度も良好で、温和なおとなしいクウェン君はかの寮に越してから、乱暴になり、社内でもたびたびもめ事を起こすようになった。 心配した木村さんが問いただしてみると夜中2時に決まって目が覚めるという。そして寝室の隅に見つけた白い靄のようなものが血みどろの女の姿になり、首を絞めてくるらしい。 泣きながら訴えるクウェン君は嘘をついているように見えず、お祓いを行った。すると効果があったのか数日は何事も起きなかったが...。
「クウェン君のこと 其の三」(21分)
日本でお祓いを受けつつも、心配で心細くなったクウェン君はベトナムの家族に電話で相談したという。 事情を聞いた家族が地元のお坊さんを頼んで電話越しにクウェン君はお祓いを受けたそうだが、お坊さん曰く「このまま日本にいればどこに行ってもその魔性は憑いてくるから、ベトナムに帰って来い」しかし日本を離れたくなかったクウェン君はその場ではうやむやにしてしまう。 結局彼は置手紙を残し帰国してしまったのだが、
帰国からおよそ半年後。母国で放火事件を起こし逮捕され、精神病院に入院してしまった...。
「引きづる足音」(22分)
吉本さんは田舎に引っ越して間もなく奇妙な洗礼を受けた。 田舎暮らしというと自然豊かで、時の流れは緩やか、近年失われつつある人間らしいコミュニケーションがあるところだと思っていた。実際自然は豊かだったが人も少なく、よそ者に対して閉鎖的な感じだったそうだ。 それでも、いつも自宅らしい古屋の前で日向ぼっこをしているお隣のおじいさんには毎日のように挨拶をしていた。このお年寄りは足が悪いらしいのだが、あるときから吉本さんの家の周りをズル...ズル...と足を引きずりながら歩き回るようになった。 薄気味悪く感じ始めていた頃、小さな事件がきっかけで吉本さんは周囲から嫌がらせを受けるようになってしまう。
城谷 歩(しろたに わたる) プロフィール
1980年2月16日生 北海道小樽市出身
15歳から舞台演劇を中心に俳優活動を始める。
その後、劇団深想逢嘘(2000年〜2011年)を発足、主宰を務める。
様々な職種を経て2012年1月怪談師デビュー。怪談ライブバー スリラーナイト札幌本店で活動後、2014年から同六本木店オープンに合わせ上京。
外部出演、独演会開催、メディアへの出演多数。
2018年独立。公演情報などはHPにて。
http://shirotani-kwaidan.com
■メディア
・「所さんの目が点」
・「大人養成所バナナスクール」
・「Rの法則」
・「柴田阿弥の金曜thenight」
他多数
■書籍
・恐怖怪談「呪ノ宴」(竹書房 単著)
・怪談師恐ろし噺「裂け目」(竹書房 単著)
■DVD
・「怪奇蒐集者」(楽創舎)
・「六本木怪談 呪・祟」(楽創舎)
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