市朗怪全集とは
実話系怪談のパイオニア、『新耳袋』シリーズの著者の一人が、語りで送る怪談全集!
1990年代に巻き起こったJホラー・ブームを牽引した実話怪談界の大御所が、満を持して登場する!!
全てが実話。この現代に現れた闇と異界の世界を聴け!!
内容紹介
氷髪(ひょうはつ) (6分)
毎朝ジョギングをしている男性が、いつもの道を走っていると急に悪寒が走り、鳥肌が立った。しかし周りには誰もいない。いや、この道に人がいないというのがおかしい。そのまま走っていると今度は髪の毛に異常が発せられた。見ると目の前に…。
落ちてくる (5分)
都内のマンション。一人暮らしのサラリーマンが、ある朝、女性のモノと思われる長い髪の毛の束を枕元に見つけた。それ以来、そんなことが続くようになったある日。
そこに法則があることに彼は気がづいた。原因を追究しようとその法則に従って見ると…。
後ろ髪 (3分)
専門学校生の女の子。一人住まいのアパートで課題に取り組んでいると、彼女のポニーテールに異変が現れ、鳥肌が立った。驚愕のモノが姿身に写っていた。
忍者レストラン (7分)
京都市内にあった忍者レストラン。ある日、百人の団体さんを受け入れた時のこと。
ショーと宴会が終わってお客さんが帰り、スタッフが後片付けを始めたのだが、お客が残っていると店長が言ってきた。確かに喫煙ルームに人がいる。だがこれはおかしい…。
おばあさんの声 (10分)
Cさんが高校生の頃、電車通学をしていたという。ある朝、とある駅に到着するとおばあさんに声を掛けられた。しかしその姿が見えない。別のある駅まで会話は続いて…。
これが毎朝続くのだ。ある朝、そのお婆さんの声がしなくなる駅で降りてみたら、そこにお寺があり…。
脇腹の傷 (5分)
N君は大学時代の後輩。彼の脇腹に細長い傷がある。怪我ではなく生まれつきあったというのだ。ある日、プールで泳いでいると、中年の男性がその傷に向かって話しかけ、やがて謝り始めた…。
白馬の鎧武者(はくばのよろいむしゃ) (7分)
M君と言う男は、「ヤクザ」というあだ名だった。頬に縦の大きな傷があるからだ。実はこの傷、彼の命と引き換えに付けられたもので、本来はとっくに死んでいたという。
白馬に乗った鎧武者に助けられたという不思議な体験談。
神替え(かみがえ) (14分)
50歳を過ぎたある女性。結婚は一度もしなかった。その理由を尋ねると祖先がある宗教を脱退しようとした時、教祖から「ならば七代祟ってやる」と言われたからだという。
彼女はその七代目である。一体何があったのだろうか。起こった祟りとは。
母の遺言 (29分)
Aさんは18歳の時、母親を亡くしている。以来、4歳年上の兄との二人住まいをしている。ところがこの母が亡くなるにあたっていろいろな怪異が起きたという。
しかしそれらの怪を聞くと兄弟への愛情の行為だったことがわかってくる。
母の面影 (7分)
太平洋戦争時のこと。Wさんは南方の島の作戦に従事していたが、ジャングルで迷ってしまった。夜遅く、目の前を母親が横切った気がした。「あっ、お袋死んだ」とWさんは咄嗟に思った。終戦になってやはり母は亡くなっていたとわかったが、とあることに気が付いた。
掛け軸 (14分)
ある人が旧友を訪ねて北陸の田舎へ向かった。泊まることになり、案内された立派な和室には、床の間に山水画の掛け軸が掛かっていた。
これは朝のことである。 掛かっているはずの掛け軸がなんだかおかしい。変化して行っているのだ…。
赤いシャツ(6分)
母とペンションを経営している女性。盆の入りの一日目。なんだか目の端に赤いシャッの男が見える気がしたのだが、目を向けるといない。気のせいかと思ったがそれは盆の間続いた。そして五日目の昼のことだった…。
中山 市朗(なかやま いちろう) プロフィール
作家、怪異収集家
1982年、大阪芸術大学映像計画学科卒業。映画の助監督や黒澤明監督の『乱』のメイキングの演出などに携わる。
1990年、扶桑社から木原浩勝との共著で『新耳袋〜あなたの隣の怖い話』で作家デビュー。『新耳袋』はそれまでただ怪談で括られていたものから、実話だけにこだわり百物語を一冊の著書で実現化させた。
『新耳袋』は後にメディアファクトリーより全十夜のシリーズとなり復刊。『怪談新耳袋』として映画やドラマ、コミックとして展開。
Jホラーブームを作った作家や映画監督に大きな影響を与え、ブームをけん引することになる。
著書に『怪異異聞録・なまなりさん』『怪談実話系』『怪談狩り』シリーズなどがある。
怪談は語ることが重要と、ライブや怪談会、放送などでも積極的に怪談語りを行っている。その他の著書に『捜聖記』『聖徳太子・四天王寺の暗号』『聖徳太子の「未来記」とイルミナティ」など多数。
|