市朗怪全集とは
実話系怪談のパイオニア、『新耳袋』シリーズの著者の一人が、語りで送る怪談全集!
1990年代に巻き起こったJホラー・ブームを牽引した実話怪談界の大御所が、満を持して登場する!!
全てが実話。この現代に現れた闇と異界の世界を聴け!!
内容紹介
能勢の小屋 (10分)
怪談好きのメンバーが集まって、能勢の山小屋を借りた。メンバーのうちの一人が提供してくれたもので、農機具の入った小屋だがキッチンも和室もある。
昼間は晴れていたのに、夜が深まると外は嵐の様相になって来た。ところが同時に人の気配もやって来た。実はこの小屋、幽霊が出るらしい。そして…。
歩(ふ) (7分)
Fさんは枕元に日記帳を置いて、朝起きると見た夢を書き残すという日課を持っていた。 ある朝起きると、日記帳に「歩はどこだ」と書かれてあった。
覚えがない。第一、意味がわからない。
ところが実家から電話があり、朝起きたら部屋が荒らされて、メモ帳に「歩はどこだ」と書いてあったという。亡き父に思い当たった。
バスの中 (8分)
二人の大学生が、真夜中の淀川橋沿いの道を車で大阪市へ向かって走らせていた。するといつも通る廃車置き場にある廃バスに女が乗っていた。
真っ暗な車内、つり革を持ってこっちを見ている。それを見た瞬間、二人はそのまま金縛りの状態となった。そして…。
泥温泉(6分)
Hさんがフェリーで別府へ向かう途中、ある老夫婦と出会った。いろいろ話しているうちに、別府に泥温泉というところがあると知った。
老夫婦は、その泥温泉に関する不思議な話を語りだして、今、そこへ行こうとしているのだという。
芋虫女(12分)
奈良に住む若い三姉妹。お母さんが重病で寝込んでいるので、三人は結婚もせずに実家で看病をしつつ、自活していた。
ある日三女が帰りの電車の中で芋虫女を見たと言ってきた。なに、芋虫女って?
長女はそう思ったが、続いて次女も芋虫女を見たという…。
引っ越し先(25分)
ある家族がマンションの一階に引っ越した。長女のMさんが風邪を引いてそのマンションで寝込んでいたら、キッチンから足音がした。その頃から部屋で奇妙な人の気配や物音がするようになった。
ある日大家さんにそのことを言うと、血相を変えて神主さんを連れて来た。過去あったことが明かされる。
友人のE君(11分)
Kさんが小学生の頃の夏休み、友人のE君一家と海水浴に行きさっそく海に入った。しかし途中からE君の様子がおかしくなり、何を言っても返事をしない。途中でいなくなる。かと思うと突然姿を現す。すると浜辺に人だかりが…。
ふたりぼっち (18分)
小学生の頃、M子さんは祖母からK子ちゃんという幼い女の子を紹介された。しばらくうちで世話をするから仲良くしてね、と言われる。
しかしK子ちゃんは変わった子で、誰かの袖や服の端をもったまま離れない。そして一人にすると泣くのだ。M子さんには見えないが「隣にいる」というのだ。その理由を聞くと…。
微笑(ほほえみ) (6分)
ある若いお母さんが赤ちゃんを産んですぐに亡くなった。お父さんも仕事で留守気味。だからお婆さんが赤ちゃんの世話をすることになった。
二階の日当たりのいい部屋に籠を置いてその中に寝かせて家事をする。ところが赤ちゃん意外に誰もいないはずの部屋から…。
お客さん (4分)
相模原市に住む主婦のKさん。ある日、「お客さんだよ」という声に玄関を開けた。そこには大家さんと見知らぬ5歳くらいの男の子が立っていた。大家さんは「この子、ずっとこの玄関先に立ってたんだけど、お知り合い?」と聞いて来る。
なんだか今どきの子供の格好でもない。「いえ、知らない子です」とKさんが言うと、男の子は信じられない行動をとった…。
中山 市朗(なかやま いちろう) プロフィール
作家、怪異収集家
1982年、大阪芸術大学映像計画学科卒業。映画の助監督や黒澤明監督の『乱』のメイキングの演出などに携わる。
1990年、扶桑社から木原浩勝との共著で『新耳袋〜あなたの隣の怖い話』で作家デビュー。『新耳袋』はそれまでただ怪談で括られていたものから、実話だけにこだわり百物語を一冊の著書で実現化させた。
『新耳袋』は後にメディアファクトリーより全十夜のシリーズとなり復刊。『怪談新耳袋』として映画やドラマ、コミックとして展開。
Jホラーブームを作った作家や映画監督に大きな影響を与え、ブームをけん引することになる。
著書に『怪異異聞録・なまなりさん』『怪談実話系』『怪談狩り』シリーズなどがある。
怪談は語ることが重要と、ライブや怪談会、放送などでも積極的に怪談語りを行っている。その他の著書に『捜聖記』『聖徳太子・四天王寺の暗号』『聖徳太子の「未来記」とイルミナティ」など多数。
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