契約が1件も取れず挫折寸前の新人営業マン小笠原は、今日も日がな1日、伏魔殿のような喫茶店で時間をつぶしていた。そんな彼の目に飛び込んできたのは、自信と余裕に満ちた同じく営業マンらしき男性。まぶしいまでの輝きを放つ彼は顧客の話を聞き、質問を投げかけ、気づけば「魔法のように」契約を交わし、顧客と笑顔で店を後にした。そんな彼を追いかけ、懇願する。
「教えてください。営業を!」
紙谷というその男性の答えは「僕に教えられるのは、営業の“素晴らしさ”だけですよ」。そこから2人の週1回の早朝レッスンが始まった。
レッスン初日。「時間がもったいないので、3分で自己紹介をしましょう」という紙谷の教えはすでに始まっている。彼の話の流れにどんどんと引き込まれていき、これまでの自分の営業方法と比べて反省と落胆を繰り返す小笠原。それでも紙谷の具体的なノウハウを聞くたびに、すぐに実践したいという強いやる気がみなぎってくる。
紙谷の教えの根底にあるのは、顧客の課題を解決することが営業の仕事だという顧客思考。だからこそ、「営業は顧客から『ノー』をたくさんもらわなければいけない」「相手に深く考える時間を与えることが大切」「売ろうとしない」という逆説ともいうべきアドバイスがあふれているのだ。
その教えはアポイントの取り方からクロージングまでトータルに及ぶが、それらはどれも顧客の話を深く聴くという誠実な人間力が伴うことが重要となる。
「沈黙の間を作る」
「既成概念を破る」
「応酬話法」
「二者択一話法」
「イエス・バット話法」
「質問話法」
「類推話法(ストーリー話法)」
「推定承諾話法」
「肯定暗示法」
極意とも言えるその実践ノウハウは小笠原に気づきと勇気、そして何よりやる気と輝きを与えてくれ、まるで本物の魔法にかかったかのようにこれまでのダメ営業マンを脱し、成長していく。しかし12個の魔法を伝授すると言っていた紙谷は最後の魔法を伝えないまま忽然と姿を消してしまった。急に連絡が途絶えた紙谷の身に何が起こったのか。最後の魔法とは何だったのか。トップ営業マンの紙谷はどのような人生を歩んできたのか。
挫折寸前のダメ営業マンがプロ営業マンの教えで苦悩しながら成長していくサクセスストーリーは、社会で必須となるコニュニケーションの基本と仕事へのモチベーションを上げてくれる。
本書の原作『営業の魔法』(ビーコミュニケーションズ)は実践的な営業ノウハウ本として多くのビジネスマンに読まれ、著者の営業本シリーズを含めて累計40部を超えるベストセラーになりました。営業という仕事はやりがいがある分、数字に反映されるシビアな世界です。そんな業界で著者の中村信仁氏は、世界142ヶ国に支店を持つ外資系営業会社で入社初年度から世界トップテンに名を連ねるなど輝かしい成績を残したプロセールスマンです。
小説形式で執筆された原作もとても読みやすく、さらに著者の実績に裏打ちされたテクニックが満載のため現場で生かせると多くの感想が寄せられました。現場を知っている著者だからこそ、登場人物の苦悩や思い込み、既成概念がリアルに描かれています。
「営業のテクニックというものは確かにあるかもしれない。しかしそれは、売るテクニックではなくコミュニケーションの基本、人と人が接する時のマナーでもある」という言葉には、営業パーソンだけでなく日々のコミュニケーションで下記のような悩みを抱く多くのビジネスパーソンに通用する真理が表れています。
・会話のなかで沈黙が怖い
・挑戦したくても実行できない
・会話力がなくて話が続かない
・相手に心を開いてもらえない
・話の主旨がうまく伝わらない
本書はそんな大好評の『営業の魔法』を原作に忠実に、よりリアルに、より読みやすく、コミカライズしたものです。
参考文献
(フェニックスシリーズ150)
中村信仁/ビーコミュニケーションズ パンローリング
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[オーディオブックCD] 営業の神さま――営業が進化する9つの問いかけ 特典追補版
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[オーディオブックCD] 営業の魔法 勇気の言葉 特典追補版
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