解説
著者が「書きたくて書いた作品ではない」と公言する代表作。
ブラックユーモアと一線を画した筒井作品を、どうぞ。
・・・この『時をかける少女』というのは、自分にとってはよく稼いでくれるお嬢さんみたいなものでしてね(笑)。これでもう何作目になりますか、その時代その時代の女子中学生や女子高校生の制服のアイドルとして訪ねてきてくれる。・・・2006年のアニメ化にあたって、筒井康隆氏が語った言葉です。彼によって『時をかける少女』が書かれてから40年。明治の文豪の作品とは違った意味で時代を感じさせる内容は、しかし、かわることなく訴えかける力を秘めています。
人生をリセットしたい、と思ったことは誰しもあるのではないでしょうか。しかし、ゲームをリセットして、さっきの方がよかったかも、と思ったことのある人も多いでしょう。「リセットした人生」「リセットしなかった人生」・・・・結局、人がたどれる道は、一筋きりなのです。
重ささえ感じられる正統派SF小説に、声優として大活躍中のあの ゆかな が挑戦。さわやかに読み上げました。
ことのは出版オーディオブック詳細はhttp://www.kotonoha.co.jp まで
著者プロフィール
筒井 康隆(つつい やすたか)
1934年、大阪に生れる。父は動物学者の筒井嘉隆。同志社大学文学部卒。大学時代は演劇と心理学に熱中した。工芸社勤務を経て、デザインスタジオ〈ヌル〉を設立、経営にあたる。60年、SF同人誌「NULL」を発刊、同誌一号に発表の処女作「お助け」が江戸川乱歩に認められ「宝石」8月号に転載された。65年、上京して専業作家となる。以後、ナンセンスなスラップスティックを中心として、精力的にSF作品を発表、『ベトナム観光公社』『アフリカの爆弾』などの作品集で直木賞候補となった。81年、『虚人たち』で第九回泉鏡花賞受賞。実験的な作風を好み、『脱走と追跡のサンバ』『虚航船団』『残像に口紅を』『文学部唯野教授』『朝のガスパール』など傑作多数。抒情的な短篇や、軽妙なエッセイの他に、戯曲、アンソロジー編集など、常に第一線に立って幅広く活躍。
93年9月から、次々と用語を規制していく風潮に抗議して断筆し、話題となる。97年1月、執筆再開。
この商品を買ったお客様はこちらも一緒に購入しています
文学部唯野教授 [著]筒井康隆
3,300円 (税込)
日本以外全部沈没 [著]筒井康隆
700円 (税込)
平行世界 [著]筒井康隆
900円 (税込)
最後の喫煙者 [著]筒井康隆
900円 (税込)
緑魔の街 [著]筒井康隆
2,100円 (税込)