市朗怪全集とは
実話系怪談のパイオニア、『新耳袋』シリーズの著者の一人が、語りで送る怪談全集!
1990年代に巻き起こったJホラー・ブームを牽引した実話怪談界の大御所が、満を持して登場する!!
全てが実話。この現代に現れた闇と異界の世界を聴け!!
内容紹介
相方の部屋(9分)
ある若い漫才師が新横浜のホテルに宿泊した時の話。隣の相方の部屋から途切れることなく、シャワーの音と、楽しそうに電話で話している声が聞こえてきた。翌朝、相方に聞いてみると、とんでもない話を聞かされることになり…。
カーテンの後ろ(3分)
同じ漫才師の体験談。あるホテルに宿泊していると、風もないのにカーテンが揺れる。窓は閉まっており、揺れるはずがないはずなのに。
しばらくしてまたカーテンが揺れた。この時、奇妙なものがカーテンの後ろから出現して。
赤いオープンカー(7分)
大阪の劇団員四人で、レンタカーを借りて東京へ遊びに行った帰りのこと。彼らは真夜中の東名高速をかなりのスピードで走っていた。すると後方からハイビームのスポーツカーが猛スピードでやってきて、あっという間に追い抜いて行った。
この時、運転をしていた彼は、その助手席に直立不動で立っている赤いドレスの女を見る。あの猛スピードで立っていられるわけがない。しかも…。
公衆電話(4分)
雪の北陸の山道を車で通りかかったときのこと。路肩に電話ボックスがあることに目が留まる。よく見れば浴衣姿の女が中にいて電話をしている。しかし周囲には家もなく、車も無い。さらに近づいて行くと…。
集合写真(8分)
修学旅行でクラスごとに撮った集合写真。業者が撮ったものだ。旅行後数日して廊下に張り出されたのだが、自分たちのクラスの集合写真だけが無い。
担任の先生に訳を問い質しに行くと彼は、「一緒に屋上に来い」と言う。聞けば、ネガごと写真を焼却するのだという。その理由とは。
ノート(7分)
大学生四人が、バイクで日本一周旅行をした時の事。信州で一泊したペンションの部屋には、ちょうど四人分のベッドがあった。
窓際にあるベッドに寝たA君。ところがペンションに備え付けられた思い出ノートに、そのベッドで寝るのは危険と書いてあったことを知らないA君は…。
ブダペストの夜(8分)
ある女流音楽家が、ブタペストの古いホテルに宿泊した。夜中、ふと目を覚ました彼女は、長い廊下の先にあるトイレに向かう。ドアを開けると、さっきとは違う廊下があった。薄暗く、しかも全室のドアは開け放してあり、男女の蠢く声がする。
台北(タイペイ)のホテル(6分)
ある会社社長と取引先の男が台北のホテルに泊まった。ホテルの食事が口に合わないので、外食をしようということになりエレベーターに乗り込んだ。
ところがエレベーターは、奇妙な階で停止した。ドアが開くと漆黒の闇、そしてその闇の中から…。
リンゴの木の下で(9分)
ある女性がロンドン郊外のホテルに泊まった話。その建物はコの字型で中庭があった。そこには一本のリンゴの木とその下に佇む若い女性がいた。
しかし、その英国女性はずっとリンゴの木の下に立ったまま、動く気配がない。そこで彼女は声をかけてみると…。
ロケ先の夜(27分)
随分前のことだが、あるテレビ番組のクルーが、丹波の古い旅館に泊まった時のことである。創業は関ケ原の戦いの数年後だという老舗旅館。
ところが夜中、実に奇怪なことが次々と起きるのだ。とうとうアシスタントディレクターは恐怖のあまり、泣き出してしまう。この話を聞かせてくれた音声担当だったMさんも奇妙な体験をして…。
ロケ先の夜・検証編(27分)
この丹波の老舗旅館。実は幽霊が出ると噂のある旅館だった。そこで私(中山)は北野誠氏と、ある雑誌の取材として、その旅館に赴き一泊してみたのである。
取材をする中で、この旅館で起こる奇妙な現象の因縁の原因がおぼろにわかりつつも、私と誠氏も真夜中に、やはり奇妙な体験をするのであった。
中山 市朗(なかやま いちろう) プロフィール
作家、怪異収集家
1982年、大阪芸術大学映像計画学科卒業。映画の助監督や黒澤明監督の『乱』のメイキングの演出などに携わる。
1990年、扶桑社から木原浩勝との共著で『新耳袋〜あなたの隣の怖い話』で作家デビュー。『新耳袋』はそれまでただ怪談で括られていたものから、実話だけにこだわり百物語を一冊の著書で実現化させた。
『新耳袋』は後にメディアファクトリーより全十夜のシリーズとなり復刊。『怪談新耳袋』として映画やドラマ、コミックとして展開。
Jホラーブームを作った作家や映画監督に大きな影響を与え、ブームをけん引することになる。
著書に『怪異異聞録・なまなりさん』『怪談実話系』『怪談狩り』シリーズなどがある。
怪談は語ることが重要と、ライブや怪談会、放送などでも積極的に怪談語りを行っている。その他の著書に『捜聖記』『聖徳太子・四天王寺の暗号』『聖徳太子の「未来記」とイルミナティ」など多数。
|