上方講談 古典怪談の世界
近年、注目を浴びている、日本の伝統話芸「講談」。
「冬は義士 夏はおばけで飯を喰い」と川柳に詠まれたほど、
講談師は夏になると怪談を語ってきている。
クーラーのなかった時代、観客は講談師の語る世界に身をゆだね、
背筋を凍らせ、暑い夏を忘れた。
講談師の旭堂南湖が贈る古典怪談。
故きを温ねて新しきを知る。
名調子で語る「日本の怪談」ここにあり。
内容紹介
「明暦の大火 振袖火事」(24分)
若衆恋しと振袖が叶わぬ恋の恨みを晴らしたと、世の人々に語られる「明暦の大火」。
時は、明暦三年一月十八日。江戸城本丸、二の丸は無論のこと、大江戸八百八町をことごとく焼き尽くしました。この火事で、命を失った者は約十万八千人と言われています。その亡骸を一か所に集めて埋葬し、菩提を弔うために、建立したお寺が現在の両国回向院でございます。
また当時、御牢内に火の手が近付きますと、三日の間に戻って来れば罪一等を減ずると言って、罪人を解き放す「切り放ち」が行われましたが、この火事を契機として、伝馬町の御牢内で行われたのが始まりだそうでございます。
この火事の原因となったのが一枚の振袖。実に不思議で怖いお話。
「淀の月」(35分)
人間には善と悪、二つの面がある。
大阪の島之内に大きな呉服屋で二代目伊勢屋徳兵衛。奉公人や出入りの者を大事にする。評判のいい旦那でございます。
ある日、この徳兵衛が久七という手代を連れて住吉参り。その帰り道、川に身投げをしようとしている若い娘がいる。伊勢屋徳兵衛がその娘を助ける。娘の名はおゆき。肌が雪のように白い美人。やがて、徳兵衛とおゆきは結ばれることになった。
ところが、徳兵衛に秘密があって、いつも腕に包帯を巻きつけている。おゆきがその訳を聞くと、「子供の頃から、腕に醜い痣があり、人に見られたくないから、包帯を巻いて隠しているのだ」と答える。本当にそうだろうか。
「雨月物語より 菊花の約(きっかのちぎり)」(39分)
原作は上田秋成の「雨月物語」。日本文学の名作を講談でお送りします。
時は、室町時代。あちらこちらで謀反が起き、人を信じることができない時代でございました。播州加古の里と申しますから、現在の兵庫県加古川市に、長谷部左門という武士がいました。文武両道に優れておりましたが、裕福ではございません。老いた母親に孝行を尽くすのを楽しみに暮らしております。
ある日、病気の武士と出会った。その武士は旅の者であるという。医学の心得のある長谷部左門は、見ず知らずの旅の者に対し、献身的に看病する。旅の者は薄皮を剥ぐように、病気が治っていく。
やがて、二人は義兄弟となった。旅の者は故郷へ一旦は帰るが、菊の節句に必ず戻ってくると約束した。信義なき時代の、信義厚い二人の友情。
旭堂 南湖(きょくどう なんこ) プロフィール
講談師。
1973年生まれ。
滋賀県出身。
大阪芸術大学大学院修士課程卒業。
1999年、三代目旭堂南陵(無形文化財保持者・2005年死去)に入門。
2003年、大阪舞台芸術新人賞受賞。
2010年、文化庁芸術祭新人賞受賞。
2015年、『映画 講談・難波戦記-真田幸村 紅蓮の猛将-』全国ロードショー。主演作品。
2019年、CD「上方講談シリーズ4 旭堂南湖」発売。「血染の太鼓 広島商業と作新学院」「太閤記より 明智光秀の奮戦」収録。
OKOWA胎動出場
怪談グランプリ2019出場
怪談最恐戦2019ファイナル出場
東大阪てのひら怪談優秀賞受賞
ZOOMを使った「オンライン講談教室」も好評。
講談や怪談の語り方をマン・ツー・マンで懇切丁寧に指導し、普及に努めている。
講談師・旭堂南湖公式サイト https://nanko.amebaownd.com/
Twitter http://twitter.com/nanko_kyokudou
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