内容紹介
一匹の猫の目を通して人間社会を風刺的に描き、
世代を超えて読み継がれている名作
『吾輩は猫である』は明治38年(1905年)に発表された夏目漱石による最初の長編小説であり、「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」の書き出しであまりに有名な作品である。
"先生"の家に住みついた猫"吾輩"の視点から観察される苦沙弥先生ら
滑稽な人間たちの様子は、朗読でこそ、また新たな楽しみを見つけられる。
吾輩がまるで語り手として実在するかのように臨場感溢れる朗読で、私たち人間の滑稽さと、 日本一有名な猫の一生の物語をどうぞお楽しみください。
目次
一章
一「吾輩の来歴」
一「主人の紹介」
一「主人の絵画」
一「黒との出会い」
一「黒のいたち事件とねずみ取り」
一「主人の日記」
一「友人のアンドレア・デル・サルト論」
二章
二「三枚のはがき」
二「寒月君が来る」
二「主人日記を書く」
二「吾輩餅を食う」
二「三毛子を訪問」
二「黒とシャケ」
二「東風のトチメンボーの話」
二「東風の朗読会への誘い」
二「迷亭の手紙」
二「三毛子の病気」
二「迷亭の文章批評」
二「寒月来て東風の話」
二「迷亭の不思議な話 首くくりの木」
二「寒月の話 橋の上の話」
二「主人の病気の話と義太夫鑑賞」
二「三毛子の死、二弦琴の師匠宅」
三章
三「三毛子と黒」
三「天然居士」
三「迷亭と細君の対話」
三「寒月の演説「首くくり」」
三「東風の失策物語」
三「鼻子来る」
三「寒月の人となり」
三「寒月の手紙」
三「迷亭の伯父」
三「金田邸を訪問」
三「金田邸での会話」
三「迷亭と寒月がいる」
三「迷亭の「鼻論」」
四章
四「金田邸へ忍び込む」
四「金田邸にて」
四「細君のハゲ」
四「鈴木藤十郎来訪」
四「寒月の話題」
四「迷亭の来訪」
四「寒月の博士論文」
四「体育と実業の話」
五章
五「夜の寝室」
五「雨戸と泥棒」
五「足音」
五「泥棒陰士の顔」
五「翌日、巡査来る」
五「多々良三平来訪」
五「主人が出てくる」
五「主人と多々良君外出」
五「ねずみ取り」
六章
六「暑い暑い」
六「迷亭来る」
六「主人起きてくる」
六「迷亭そばを食う」
六「寒月来る」
六「迷亭の蛇飯の話」
六「老梅君のお夏さんの話」
六「人売りの話」
六「アグノダイスの話」
六「東風来る」
六「寒月の脚本の話」
六「東風の詩集」
六「大和魂」
七章
七「海水浴」
七「蟷螂狩り」
七「蝉取り」
七「松滑り」
七「垣巡り」
七「帰宅」
七「銭湯に行く」
七「衣服の歴史」
七「一大奇観」
七「苦沙弥先生の喧嘩」
七「主人の晩餐」
八章
八「竹垣」
八「落雲館」
八「教育論」
八「からかう論」
八「四つ目垣」
八「逆上論」
八「ダムダム弾」
八「ハゲ頭」
八「ぬすっとう」
八「落雲館授業中」
八「蜂の陣立て」
八「ダムダム弾の発射」
八「主人の説教」
八「金田と鈴木の立ち話」
八「球拾い」
八「甘木先生来る」
八「珍客・哲学者」
九章
九「あばた面」
九「鏡」
九「ひげ」
九「手紙、第一信」
九「第二信」
九「第三信」
九「迷亭と伯父」
九「鉄扇」
九「八木独仙のこと」
九「立町老梅君のこと」
九「刑事巡査」
九「気狂いについての主人の考察」
九「吾輩の読心術」
十章
十「朝」
十「台所」
十「女の子三人の洗顔」
十「主人起きる」
十「戸棚のはらわた」
十「茶の間」
十「子どものこと」
十「雪江さん来る」
十「主人と雪江」
十「古井武衛門」
十「艶書のこと」
十「おもしろい」
十「寒月来る」
十「武衛門君帰る」
十一章
十一「迷亭と独仙の碁」
十一「寒月のヴァイオリン」
十一「寒月の経験譚」
十一「ヴァイオリンてんかん」
十一「夜十時」
十一「五円二十銭」
十一「姥子の温泉で煙草」
十一「ヴァイオリンを弾く」
十一「寒月と結婚」
十一「探偵」
十一「自覚心」
十一「死」
十一「習慣の話」
十一「結婚の未来記」
十一「芸術」
十一「女について」
十一「多々良三平来る」
十一「猫と生まれて」
夏目漱石(なつめ・そうせき)
日本の小説家、評論家、英文学者。森鴎外と並ぶ明治・大正時代の文豪である。1867年(慶応3)江戸牛込馬場下横町(現在の東京都新宿区喜久井町)に生まれる。本名は夏目金之助。東京帝国大学英文科卒業後、東京高等師範学校、松山中学、熊本第五高等学校などの教師生活を経て、1900年、イギリスに留学。帰国後、第一高等学校、東京帝国大学の講師を務める。1905年、処女作『吾輩は猫である』を発表。翌年『坊っちゃん』『草枕』を発表。1907年、教職を辞し、朝日新聞社に入社。以後、朝日新聞に『虞美人草』『三四郎』『それから』『門』『彼岸過迄』『行人』『こころ』『道草』などを連載するが、1916年(大正5)12月9日、『明暗』の連載途中に胃潰瘍で永眠。享年50歳。
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