上方講談 古典怪談の世界
近年、注目を浴びている、日本の伝統話芸「講談」。
「冬は義士 夏はおばけで飯を喰い」と川柳に詠まれたほど、
講談師は夏になると怪談を語ってきている。
クーラーのなかった時代、観客は講談師の語る世界に身をゆだね、
背筋を凍らせ、暑い夏を忘れた。
講談師の旭堂南湖が贈る古典怪談。
故きを温ねて新しきを知る。
名調子で語る「日本の怪談」ここにあり。
内容紹介
佐賀怪猫伝「その十一 石田来助」(35分)
肥前国、佐賀の在。宇佐美村の百姓、宇右衛門の娘お豊。天性の美貌。鍋島家の藩士、白井覚蔵の養女となり、行儀作法からお茶、お花と磨きをかけると、絶世の美人。家中の評判となりまして、殿様に目通りをする。ついには殿様の側室となりました。
お豊が側室になると白井覚蔵は百石のご加増となる。いい娘は持ちたいもの。兄の林蔵も佐賀の城内に呼び出され、宇佐美林蔵という侍が出来上がった。
足軽小頭として、ご奉公することになった。お豊は梅の御殿という立派な御殿を建て、お豊の方となる。お豊の方はしとやかで、おだやかな性格であったが、江戸から帰ってくると、どういうわけか性格が乱暴になった。さあ、どうなる?
佐賀怪猫伝「その十二 伊東惣太」(26分)
さて、怪猫のために妻と母を食い殺された鍋島家の勇士、小森半左衛門。
それに高木三平、二人は毎日出歩いてはお豊を調べる。やはり以前のお豊とは違い、調べれば調べるほど怪しい。この証拠をつかむにはどうしても城内に入り込まねばならん。
小森は表向き、殿様のお手討ちになっている体であるから、目立つことはできない。
そこで家老に頼んで、高木三平を鳩組の足軽部屋に入れて、城内の様子、特に梅の御殿の様子を探ることになった。小森は、
「こうなれば神仏の加護を願うより他はない」
と滝尾山、滝尾大権現にお参りして、鍋島家の魔性退散を祈念する。
ここで一人の勇士に出会う。それが伊東惣太。
佐賀怪猫伝「その十三 雨夜の幽霊」(30分)
伊東惣太は、猟師の倅。父を宝満山の黒猫に食い殺された。父が亡くなる時に、実は本当の父親は、元鍋島家の侍であったと打ち明ける。
惣太は、滝尾山、滝尾大権現の大滝に打たれて、怪猫退治の祈願をこめる。同じ願いの鍋島家の勇士、小森半左衛門と、バッタリ出会う。半左衛門は、惣太を連れて戻り、城内の鳩組の足軽部屋へ入れた。高木三平は、惣太に読み書きから、侍の心得、剣術を教える。惣太も一生懸命、剣術の稽古をする。次第次第に腕が上がってくる。
すると、城内、梅の御殿の壁に、盲目の法師の幽霊が現れる。これは殿様に斬り殺された高井検校の幽霊だ。さあ、どうなる。
佐賀怪猫伝「その十四 佐藤の猫塚」(26分)
佐賀城下で、一番の大金持ちと言われた佐藤六左衛門の娘ツヤ。佐藤小町と騒がれるほどの美人だが、ふとした病気で床についたまま、日々やせ衰えるばかり。医者は病名がわからず首をひねっている。
ただ不思議なことには、夜中になると、床から這い出て、廊下で生気を失って倒れている。これは妖怪の仕業ではなかろうかと、六左衛門は、鍋島家の勇士、小森半左衛門に相談をした。小森は鍋島家に祟る怪猫の行方を探していた。これも手がかりの一つと、その夜はツヤの隣の間で見張ることになった。さあ、どうなる。
旭堂 南湖(きょくどう なんこ) プロフィール
講談師。
1973年生まれ。
滋賀県出身。
大阪芸術大学大学院修士課程卒業。
1999年、三代目旭堂南陵(無形文化財保持者・2005年死去)に入門。
2003年、大阪舞台芸術新人賞受賞。
2010年、文化庁芸術祭新人賞受賞。
2015年、『映画 講談・難波戦記-真田幸村 紅蓮の猛将-』全国ロードショー。主演作品。
2019年、CD「上方講談シリーズ4 旭堂南湖」発売。「血染の太鼓 広島商業と作新学院」「太閤記より 明智光秀の奮戦」収録。
OKOWA胎動出場
怪談グランプリ2019出場
怪談最恐戦2019ファイナル出場
東大阪てのひら怪談優秀賞受賞
ZOOMを使った「オンライン講談教室」も好評。
講談や怪談の語り方をマン・ツー・マンで懇切丁寧に指導し、普及に努めている。
講談師・旭堂南湖公式サイト https://nanko.amebaownd.com/
Twitter http://twitter.com/nanko_kyokudou
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