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"VANISHING POINT"
消滅点。
気鋭のライター、奥山貴宏の遺作となった作品であり、渾身のダイイングメッセージ。
『イデイ。これってロックなのか?』
31歳で突然のガン告知から、33歳でその命の灯火が消える瞬間までキーを叩き続け、2005年5月。本作品の定本となる小説『ヴァニシング・ポイント』発売の3日後、逝去した。
著書には『31歳ガン漂流(ポプラ社)』『32歳ガン漂流(牧野出版)』『33歳ガン漂流(牧野出版)』があり、彼のリアルライフであった2年4ヶ月に及ぶ闘病生活と執筆活動は、この3部作に書き記されている。全てオーディオブック版でも聴くことができる。
本作品は小説『ヴァニシング・ポイント』において、"ノンフィクションノベル"と紹介されているとおり、前3部作のリアルライフをなぞり、自伝小説である本作品のディテールをよりリアルなものとしている。
ロック・ドラッグ・セックス・ライティングそして暴走する世界。
パッチワークのようにコラージュしながら展開する物語に、聴者はどこまでが本当で、どこからがフィクションなのか判らなくなることだろう。
奥山氏が命を削っても伝えたかったコト。
全ては、定本で284ページ。オーディオブック版の本作品は、総収録時間10時間半の圧倒的なボリュームの最後の数分に集約される。
死と向かい合ったもののみが紡ぎ出せる、"生きている"ということの本当の意味。
奥山さん。
それはあまりにも普通の。あまりにも平和な。あまりにも「らしい」ひとことですね。
最期の瞬間まで、挑み・放棄せず、まるで暴走するT-MAXにしがみつくかのごとく、最期の消滅点まで駆け抜けていった。
全ての同年代の人、さらに奥山氏を知らない全ての若者に聴いて欲しい。
そして自分に聞いて欲しい。
『俺ってロックしてるか?』と。
著者紹介
奥山 貴宏(おくやま・たかひろ)
1971年生まれ。山形県出身。日本大学芸術学部文芸学科卒業。5年ほど雑誌編集に従事したのち、2001年よりTEKNIX名義でフリーランス活動開始。2002年末に体調を崩し入院、肺ガンで余命2年の宣告を受ける。現在は治療を受けながら、雑誌やネット上にコラム、エッセイなどを連載(本データは底本となる書籍『VP ヴァニシング・ポイント(マガジンハウス)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
※本商品は「VP(ヴァニシングポイント)」(マガジンハウス刊 奥山貴宏著 ISBN:978-4-8387-1580-0 1,470円(税込))をオーディオ化したものです。
音響効果協力:株式会社アークコア
ポプラ社/奥山貴宏 パンローリング
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奥山貴宏/牧野出版 パンローリング
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