内容僅か24年で生涯を終えた樋口一葉。その成功の陰には、生活の逼迫や創作の葛藤、恋の煩悶など多くの苦しみがひそんでいた。一葉の心の内奥に迫る部分を選んで収録。 樋口一葉/原作 幸田弘子/朗読 講演/樋口一葉(ヒグチ・イチヨウ)(1872-1896)東京生れ。本名奈津。父則義は、元八丁堀同心で一葉誕生当時は東京府の下級官吏。1886年中島歌子の萩の舎塾に入門。1889年父の死で一家を担うことになり、姉弟子三宅花圃に刺激されて小説で生計を得ることを志す。1891年半井桃水に師事。貧困の中、1894年の『大つごもり』以降独創的境地を開き、『にごりえ』『十三夜』『たけくらべ』等で文壇に絶賛される。数え年25歳で結核に倒れた。 |