内容紹介
激動の時代、往年のヒロインたちは己の“生”をどう全うしたのか――
事実6割! 思い込み3割! 嘘1割!
講談界のニューヒロインによる荒唐無稽なエンターテイメント物語!?
いざ、開演!
ようこそお越しいただきました〜。
はい、私、講談師の神田蘭と申します。
講談とはね、日本の古典芸能の話芸なんですが、私が特に力を入れて取り組んでおりますテーマは「女性の人生」でございます。
数百年も前に実在した往年のヒロインたちは、どんな「人生の決断」、「恋愛の決断」をしたのか? 楽しんで学んでいただけたら幸いです。
た・だ・し、「歴史はイマジネーション」、そう!
事実6割!
思い込み3割!
嘘1割!
で、面白おかしく語らせていただきます。
それでは、私、神田蘭が講釈いたします!
最後までお付き合いのほど、よろしくお願い致します!
らん、らん!
収録内容
・オープニング
・樋口一葉の巻(25分04秒)
・津田梅子の巻(21分53秒)
・清少納言・紫式部の巻(44分43秒)
・お楽の方の巻(23分38秒)
・エンディング
本巻に登場する往年のヒロインたち
・樋口一葉の巻
樋口一葉は、女流作家のパイオニア。五千円札の肖像画で顔を見たことがあるという人も多いのでしょう。樋口一葉は1872年、明治5年に東京で生まれました。本名は「一葉」ではなく「奈津」。彼女は、すぐに字が読めるようになり本ばかり読んでいた子供だったそうです。とは言え明治の世は女性に「学問なんていらない!」と言われていた時代。母親から「本なんて読んでも無駄だからやめなさい」と言われていたんだとか。そんな彼女が、19歳の時「小説を書いてお金を稼ごう」と思い立ち、新聞社の専属小説記者だった半井桃水を紹介してもらいます。半井桃水との出逢いが彼女の人生を大きく変えていく……。
・津田梅子の巻
津田梅子は、明治時代に従来の女子教育のあり方を変え、日本の女性の地位向上に尽力した人物。2024年から五千円札の図柄にも。梅子の父親は先進的な考え方の持ち主で、この父親の勧めで梅子は6才のときに「岩倉使節団」の一員として親元を離れアメリカへ。以後11年間、アメリカの家庭で育ち17歳の時、明治15年に帰国。その頃の日本といえば、近代国家としての基盤作りの段階にあって女性の社会進出なんて夢のまた夢。英語が堪能でも日本語が不自由な梅子に居場所はなかったのです。さらにアメリカの女性と日本の女性の地位の差にも驚いた梅子。さてさてどうしたものか……。
・清少納言の巻
清少納言は、平安時代に『枕草子』を書いた女流作家。『枕草子』は「こんなものが好き」「こんなところが嫌」「こういうところが素敵」といった清少納言の独自のセンスで感じたことが書かれているエッセイ。明るいエッセイ集といったところだが、これを書いていた時期の清少納言が仕えていた宮中は、ドロドロの権力抗争のまっただ中。なぜそんな時に清少納言は『枕草子』を書いたのか……。
・紫式部の巻
紫式部は、世界最古の長編小説と言われる『源氏物語』の作者。平安中期に男性が読むものとされた漢文の書物を読みこなす天才少女だった紫式部。紫式部は20歳も年の離れた男性のもとへ嫁ぎますが、その夫に数年で先立たれてしまいます。そんな虚無感を振り払うように筆を執って書き始めたのが『源氏物語』だった……。
・お楽の方の巻
お楽の方は、江戸幕府3代将軍徳川家光の側室で、4代将軍徳川家綱の生母。「お楽の方」は側室名。このお楽の方は玉の輿の元祖とも言える。それはなぜか? お楽の方の父親は、死罪になった罪人だった。罪人に娘がどのように大奥に入り、将軍の側室になり、将軍の母になったのか?
神田蘭(かんだ らん) プロフィール
女流講談師。女優・ナレーター・パーソナリティーとして活動後、2004年に神田紅師匠のもとに弟子入り、2008年二ツ目に昇進。2018年真打昇進。 数多くの古典ネタを持つが、現在は女性の生き方を描いた創作講談や明治時代の偉人講談をライフワークとしている。JFN(全国20局)で放送しているラジオ番組『恋する日本史』は長年続く人気番組。新聞、雑誌などでコラムを多数執筆。著書に『恋する日本史講談』『女と男の恋する日本史講談』がある。
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