内容紹介
その時計屋敷には若くて美しい女の幽霊が出るという―――。
北川光雄は叔父の命を受けて長崎の時計屋敷へ赴いた。
屋敷の三階から櫓のように建つ時計塔。
だがこの時計塔は人々から幽霊塔と呼ばれていた。
この屋敷を建てた大富豪がある日行方不明となり、地下深くから助けを求める男の声が響くがやがて消えたという。
数年前には屋敷の一室で老婆が惨殺されている。
そんな屋敷へ足を踏み入れた光雄は、この世の者とは思えない謎めいた美女と出会う。
誰も知らない時計塔の動かし方を知っている女…名は野末秋子。
彼女の持つ怪しげな魅力に心惹かれる光雄。
同じ宿に泊まっていた秋子だが、次の日忽然と姿を消した。
秋子を探し再び時計塔を訪れた光雄は、隠し扉の中に謎の暗号と地下迷宮の地図を手に入れる。
それは宝の地図なのか幽霊のいざないか…。
光雄は時計塔の謎を解き明かし、秋子を救うことが出来るのか?
謎多き時計塔に隠された哀しき秘密を知る時、錆付いた時計が静かに時を刻み始める。
江戸川乱歩(えどがわ・らんぽ)
日本の推理小説家。1894年10月21日生まれ、三重県生まれ。筆名は、19世紀の米国の小説家エドガー・アラン・ポーに由来する。数々の職業遍歴を経て作家デビューを果たす。本格的な推理小説と並行して『怪人二十面相』、『少年探偵団』などの少年向けの推理小説なども多数手がける。代表作は『人間椅子』、『黒蜥蜴』、『陰獣』など。1954年には乱歩の寄付を基金として、後進の推理小説作家育成のための「江戸川乱歩賞」が創設された。
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