お子様向け短めの講談を楽しんでください♪
近頃、注目を浴びているのが日本の伝統話芸「講談」。
子供にもわかりやすい講談の入門編。
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が話題になっています。
源平盛衰記より「頼朝の流罪」「頼朝の恋文」「頼朝と梶原」など。
少し怖くて、心にしみる話「幽霊の絵」。
囲碁と刀の話「武士の魂」。
特典として、講談台本PDFがダウンロードできます。
講談を覚えて、声に出して読んでみよう。
これさえあれば、わたしも講談師になれる!!
それでは、はじまり〜、はじまり〜。(パンパンッ)
内容紹介
「源平盛衰記より 頼朝の流罪」(9分)
源義朝が平清盛との待賢門の戦いに敗れ、義朝は尾張の国野間の内海、源氏の侍、長田庄司方へ落ち延びた。その中に源頼朝、これまた美濃の国へ落ちるつもりで都を離れ、馬をあおって、美濃路を望んで来た。
体は疲れ、若い頼朝は馬の上で、コクリコクリと居眠り、ワアーッという鬨の声。平家の侍、弥平兵衛宗清が人数を連れて、落人来ると見れば、立派な鎧、物の具。源氏の御曹司、頼朝ですから、「それ、召し取れ」と大勢がワッと周りを取りまいた時、頼朝は、「助けてくれ」と叫んで馬から落ちた。さあ、どうなる。
「源平盛衰記より 頼朝の恋文」(6分)
源頼朝は、伊豆の国蛭ヶ小島に流罪。世話係が安達藤九郎。北条時政の居候になっている。
北条時政に娘が二人ございます。姉が政子。妹が実衣。実衣は愛嬌があって美人です。あちらこちらから縁談の申し込みがある。一方、政子の方は,、不器量ではないが、ツンとしていて、ちょっと親しみにくい。頭の賢い人です。頼朝は、心を込めて、書き上げた玉章(たまずさ)、――現代で言いますと、ラブレターです――、を持って、妹の実衣へ渡して来いと、安達藤九郎に命じた。さあ、どうなる。
「源平盛衰記より 頼朝と梶原」(8分)
頼朝は、恐ろしく大きな頭をしていた。かぼちゃ頭。のちに右大将となって天下を取った時、梶原平三景時に頭巾を遣わした。梶原が、有難く押し頂いて、頭巾をかぶると、鼻の頭まで入った。「梶原は拝領の頭巾、縫い縮め」という川柳もあります。
鎌倉のお寺に、頼朝のしゃれこうべがあります。お祭りには見せてくれる。
小坊主が案内をして、
「えー、これは右大将頼朝公のしゃれこうべでござーい。近くへ寄ってご覧願います」
見物の衆が、
「やいやい。いい加減なことを言うな。話に聞いたが、頼朝は恐ろしく頭が大きかったそうだ。こんなちっぽけな頭じゃねえや」
小坊主は慌てません。
「これは頼朝公、御年七つの、しゃれこうべでござーい」
いい加減な話があったものですが。
「源平盛衰記より 宇治川の一番渡り」(6分)
佐々木、梶原が宇治川の一番渡りを競うという有名な一席。九郎義経、頃はよしと見たから、小高い所へ押し上がりました。
「一番、一番」
と叫ばれますと、このおりから水かさ増した宇治の早瀬も何のものかは、翩翻とひらめきわたる旗の手は、吉野竜田の花もみじ、金銀大小のまといは朝日に輝き、薙刀、太刀の穂は武蔵野の尾花に異ならず、鎧の袖を擦り合わせ、兜の星を輝かせ、エイーエイーヤッと乗り渡ってくるその内に、一際目に立ち轡の音も爽やかに乗り立て来たる一人の勇士…。
「源平盛衰記より 敦盛の最期」(7分)
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。たけき者もつひには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。
平清盛は大層な勢いでしたが、世の中が段々と思うようにならず、頼朝を征伐に差し向けた孫の維盛は富士川の戦いで、水鳥の羽音を聞いて逃げ帰り、他の者も倶利伽羅峠で敗戦致すという有様で。清盛はとうとう、その身も熱病を受けて、ついにこの世を去りました。さあ、どうなる。
「幽霊の絵 上」(17分)
江戸時代の中頃、京都に円山応挙という方がいました。絵描きです。風景でよし、人物でよし、動物でよしと、なんでも描いた方でございますが、とりわけ幽霊の絵を得意としておりました。幽霊の絵は、ちょっと怖いように思いますが、じゃあなぜ、幽霊の絵を描くようになったかと申しますと、それは、ある時、長崎の有志から、
「是非、絵を描きに来て貰いたい」
と頼まれました。当時は日本は鎖国をしていまして、外国との交流がなかった中に、長崎の出島に限って、オランダを始め、数ヶ国との、交流が許されていました。外国人がたくさん暮らして、異国情緒のあふれるところでございますから、変わった絵が描けると思い、有志の願いを受けた訳でございます。今のように飛行機や新幹線はございません。歩いて長崎までやって参ります。長崎へ到着するとザーという雨。
……長崎は今日も雨だった。さあ、どうなる。
「幽霊の絵 下」(14分)
円山応挙が京都におります時、始終飲みに行く店がございます。それは、富小路三条下ったところにございます芋棒酒屋の甚兵衛という店で。
――芋棒というのは、海老芋と棒鱈を一緒に炊き合わせた料理で――、主の甚兵衛は、元は大阪の人でしたが、商いに失敗をしたのか、京都に参りまして、小さな店を出して、足掛け十七年。料理が旨いというので、応挙が、大変贔屓にしておりました。さあ、どうなる。
「武士の魂 上」(17分)
旭堂南湖はこの講談「武士の魂」で、平成22年「文化庁芸術祭新人賞」を受賞。渾身の一席。
近江の国、只今の滋賀県。彦根、井伊掃部頭直弼の家来に柳田格之進という方がございました。この方は誠に真面目な人でございます。清廉潔白、真っ直ぐな性格。曲がった事は嫌だ。こういう人でありますね。ですから道でも真っ直ぐにしか歩きません。曲がる時には、悔し涙にくれながら曲がったと申します。
「武士の魂 下」(15分)
柳田格之進は、浪人となり、大阪へやってきた。家族はおらず、一人暮らし。井筒屋源兵衛というよい碁敵ができた。
八月十五日、中秋の名月。井筒屋では毎年出入りの商人を招きまして月見の宴が開かれます。柳田格之進も招かれました。皆と月を愛でておりますと井筒屋が、
「月を見ておりましても退屈なだけでございます。一つ例によってお相手を頂きとう存じますが」
離れ座敷で、二人が碁を打った。翌朝、番頭六兵衛が、お店の五十両がなくなっているのに気がついた。さあ、どうなる。
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を印刷可能なPDFでプレゼント!
※商品版の音声と一緒にダウンロードいただけます。
旭堂 南湖(きょくどう なんこ) プロフィール
講談師。
1973年生まれ。
滋賀県出身。
大阪芸術大学大学院修士課程卒業。
1999年、三代目旭堂南陵(無形文化財保持者・2005年死去)に入門。
2003年、大阪舞台芸術新人賞受賞。
2010年、文化庁芸術祭新人賞受賞。
2015年、『映画 講談・難波戦記-真田幸村 紅蓮の猛将-』全国ロードショー。主演作品。
2019年、CD「上方講談シリーズ4 旭堂南湖」発売。「血染の太鼓 広島商業と作新学院」「太閤記より 明智光秀の奮戦」収録。
ZOOMを使った「オンライン講談教室」も好評。
講談や怪談の語り方をマン・ツー・マンで懇切丁寧に指導し、普及に努めている。
講談師・旭堂南湖公式サイト https://nanko.amebaownd.com/
Twitter http://twitter.com/nanko_kyokudou
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