市朗怪全集とは
実話系怪談のパイオニア、『新耳袋』シリーズの著者の一人が、語りで送る怪談全集!
1990年代に巻き起こったJホラー・ブームを牽引した実話怪談界の大御所が、満を持して登場する!!
全てが実話。この現代に現れた闇と異界の世界を聴け!!
内容紹介
【くだんに関する3つの話 Part1】(18分)
【くだんに関する3つの話 Part2】(9分)
【くだんに関する3つの話 Part3】(5分)
くだん、という伝説上の化け物が存在する。人偏に牛と書いて、件と表記する。文字通り、半人半牛姿の妖怪である。
戦後間もなく、兵庫県西宮市、芦屋市、あるいは六甲山付近で、件がいる、という噂が流れたことがあるらしく、小松左京氏はその噂される件をもとに『件の母』という小説を書いたという。
ところが、この件を実際に見た、という中学校教師がいた。彼の証言から、単なる都市伝説、伝承と思われていた件が、実話系怪談として存在するようになった。
件は実際に存在していたのか?
まずは、その教師が話したという体験談と、戦後まもなく語られたという、件を観た人たちの3つの話を語ってみよう。そこには、虚実混合した不思議な件の姿が現れる。小松左京氏の『件の母』についての考察も。
【六甲のうしおんな】(14分)
これら件の話には、西宮市、そして甲山という共通したキーワードがあることに気づかされる。
西宮市内に住む友人にこの話を聞いてみると、別形態の件の話が、体験談として語られた
【異常なし、ただし牛】(10分)
件は世の中の凶事に生まれて、それらを予言して死ぬ、とされる。
これは阪神大震災時に、警備員の報告書に記された、不思議な目撃談である。
【邪鬼の正体】(5分)
【くだん】(4分)
【牛の首 】(7分)
件に関する、と思われる実話系怪談はまだある。
中には件ではなく、別種のモノと思われる話もあるが、家畜としての牛のなにかが、このような怪異を起こしたのであろうか?
この3話は、現代の沖縄、広島、尼崎に現れた、牛に関する妖異である。
【笑ってやがった】(3分)
【深夜の訪問者】(7分)
【キッチンの修繕】(6分)
世の中には、霊と遭遇しやすい職業というものがあるらしい。
住人が引っ越しして、次の住人が越してくる間、壁や床の清掃、襖やタイルのの張替え、エアコンや給湯器の取り換えなどをして、前住人の生活臭を消す仕事で原状回復工事という。
しかし、誰もいないはずのその部屋に、何かがいることが。
現状回復工事に携わる3人の職人の体験談からはじめよう。
【狐狸妖怪はいる】(12分)
今は大阪で立派なご住職になられているK氏。彼は大学生の頃、友人と「狐狸妖怪はいるのか」という議論をしていると、「うちに出るから見に来る?」と言われたという。
その家は、京都にある大きなお寺。その一室に寝れば必ず目撃するというのだ。
Kさんはある夜、その妖怪とやらを見ようと、その寺の一室に寝たのだが、果たして…。
【顔半分】(11分)
高校で同じクラスの幼馴染の友人と、夜遅く人通りも無い暗い遊歩道を歩いて帰ったときの話だという。
その晩、友人が公園の公衆トイレに駆け込んだ後、彼は奇妙な行動を見せるようになる。顔を半分だけ…。
【突風】(6分)
学生の頃、サッカー部のキャプテンをやっていたという男性。
学校の近くの墓場で女性が首つり自殺をしたことニュースで知った。
さっそく彼はメンバーを集め、その墓地で肝試しをやることを強要する。
しかし、メンバーは次々と脱落していき、キャプテンとしてのプライドをかけた彼が、首をくくったという場所へ行きついたのだが…。
中山 市朗(なかやま いちろう) プロフィール
作家、怪異収集家
1982年、大阪芸術大学映像計画学科卒業。映画の助監督や黒澤明監督の『乱』のメイキングの演出などに携わる。
1990年、扶桑社から木原浩勝との共著で『新耳袋〜あなたの隣の怖い話』で作家デビュー。『新耳袋』はそれまでただ怪談で括られていたものから、実話だけにこだわり百物語を一冊の著書で実現化させた。
『新耳袋』は後にメディアファクトリーより全十夜のシリーズとなり復刊。『怪談新耳袋』として映画やドラマ、コミックとして展開。
Jホラーブームを作った作家や映画監督に大きな影響を与え、ブームをけん引することになる。
著書に『怪異異聞録・なまなりさん』『怪談実話系』『怪談狩り』シリーズなどがある。
怪談は語ることが重要と、ライブや怪談会、放送などでも積極的に怪談語りを行っている。その他の著書に『捜聖記』『聖徳太子・四天王寺の暗号』『聖徳太子の「未来記」とイルミナティ」など多数。
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