内容紹介
M県Y市の名士・喜多川治良右衛門はY市の郊外に「ジロ娯楽園」という途方もない遊園地を作り上げた。
治良右衛門は数年前に父母を亡くし、自身は三十三になるが妻をめとることもなく、悪友たちと退廃的な日々を過ごしていた。
「ジロ娯楽園」にはびっしり植え並べた樹木で作られた大迷路があった。
一度入ったら一時間や二時間では出られない代物である。
ある日のこと、治良右衛門は例のごとく仲間たちと享楽的に遊びふけっていたが、治良右衛門の遊び仲間の一人である人見折江は迷路の中で断末魔の苦悶を思わせる唸り声を聞いた。
恐怖に震えて同じく迷路を彷徨っていた折江の恋人の大野雷蔵を頼るが、雷蔵は辺りの様子を探っている最中に、短刀を刺されて死んでいる治良右衛門の恋人・諸口ちま子を見つけた。雷蔵は折江にまだ中に犯人がいるかもしれないと警告し、戦慄する。
これが第一の殺人であり、娯楽園を恐怖に陥れる連続殺人事件のはじまりであった……。
江戸川乱歩(えどがわ・らんぽ)
日本の推理小説家。1894年10月21日生まれ、三重県生まれ。筆名は、19世紀の米国の小説家エドガー・アラン・ポーに由来する。数々の職業遍歴を経て作家デビューを果たす。本格的な推理小説と並行して『怪人二十面相』、『少年探偵団』などの少年向けの推理小説なども多数手がける。代表作は『人間椅子』、『黒蜥蜴』、『陰獣』など。1954年には乱歩の寄付を基金として、後進の推理小説作家育成のための「江戸川乱歩賞」が創設された。
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