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内容紹介
名だたる文筆家が登場する、文藝春秋の文化講演会。
十四代将軍・家茂と皇女和宮の仲睦まじい姿を、増上寺に埋められた棺の副葬品から思い描く。遣欧使節団の足跡を訪ねて遥々イギリスまで足を運んだ綱淵は、家茂の副葬品、「金側の時計」にひとつの空想を膨らませる。 目次
●紀尾井町の少年家茂 綱淵謙錠(つなぶちけんじょう)
樺太生まれ。旧制新潟高校在学中にロシア文学と英国詩人エリオットに傾倒するも徴兵され旭川歩兵部隊に入隊。復員後東大に入学するが経済上の理由から印刷所や図書館、教員などにも勤めた。中央公論社に入社後は谷崎潤一郎や子母澤寛を担当。この頃から歴史小説に興味を深くした。三島由紀夫の葬儀を最後に会社員を辞し、阿川弘之と川端康成の要請でペンクラブ事務局長に。翌72年、処女作『斬』が第67回直木賞を受賞。司馬遼太郎の選評に「今の世にこういう大真面目な創作態度を持つ人がいたのか」と言わしめる。その後『戊辰落日』『幕末に生きる』など史実に肉薄する真摯な筆致で多くの歴史小説を手掛けた。
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