コミュニケーション・スキルはわさびに学べ!
【あらすじ】
ちょっと頭のねじのゆるんでいるまつ公、親戚のおじさんの家で奉公していますが、やることなすことピントがずれています。店番をしていて、軒先で雨宿りする見知らぬ人に高価な蛇の目傘を貸してしまったり、ネズミ退治に猫を借りに来た人に「貸し猫は使いものにならなくなったので、物置に放り込んである」と貸し傘の断り方で断ってしまったりします。おじさんに小言を言われどおしで、まつ公はふてくされています。おじさんが出かけるとそこにまた来客が来ます。「わてな、中橋の加賀屋佐吉方から参じましたもんでな、先度(せんど)仲買の弥一が取り次ぎました道具七品のことでおます…」関西弁で早口でまくしたてられて、まつ公も側にいる女将さんにもさっぱりわかりません。
【聞きどころ】
今年三月に二つ目になったわさびさん、クスグリが不発でもそれをまたギャグにして、立ち直るところはなにか高校球児を見ているようで、お客も応援したくなります(これも確信犯かも?)。わさびさんのほんわかとした持ち味を活かしたまつ公が可愛らしいです。
【もうひとこと】
もとは天保年間の古い滑稽噺。骨董品の特殊な言葉を散りばめた、舌を噛みそうな後半の言い立てがあることから、前座さんがよく高座にかける噺です。題名は観賞用、あるいは工芸品に使われる竹の種類のこと。
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