怖ろしいほどの個性、究極のオリジナリティ
【あらすじ】
喜六に惚れた女が出来ました。二人の仲も上手くいきかけていた折も折、今講釈場でトリを取っている講釈師にひょんなことからこの恋路を邪魔され、喜六はとうとう女にふられてしまいます。腹の納まらない喜六は講釈場へ乗り込んで講釈を無茶苦茶にしてやろうとするのですが、兄貴分の清八からそんな無茶なことをするよりももっといい計略があると諫められます。その計略というのは八百屋から買ってきた胡椒をくすべて講釈が出来ないようにするというもので……。
【聴きどころ】
たまさんは他に類を見ない超個性的な噺家さんです。そのたまさんの持ちネタの中でももっとも「たま的」でオリジナリティにあふれているのがこの『くっしゃみ講釈』。これほど独創的な落語もそうはありません。古典落語は先人の語っていることをただ伝えていけばよい、と思っている人がこの噺を聞けば怒るかもしれませんが、ただただ面白い落語を聞きたい人にとっては、まさにお勧めの一席と言えるでしょう。
【もうひと言】
たまさんが枕でやたらと見台を叩きながらやっているショート落語は聞き物です。たま落語をはじめて聞く人にとって、このショート落語は一種のリトマス試験紙。これにはまった人は、その時点でたまファンになったということです。
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