9回裏、あの“魔物”との大バトルの結末は? (落語随談付き)
【あらすじ】
夏の甲子園、第8×回全国高校野球選手権大会の決勝、小手指学園対富岡三高の試合は、0対0の均衡が9回表でついに破れました。2アウト満塁で富岡三高レフト大前田君が3点タイムリーエラー。準決勝では決勝タイムリーを放っていただけにショックも大きい。大前田君が落ち込んでいると耳元でいきなり「ヨオ!」との声。見るとそばに悪魔のようなやつがいます。過去、甲子園の歴史の中では数々の奇跡が繰り広げられ、“甲子園には魔物が棲んでいる”と言われてきましたが、そいつはその“魔物”だと名乗ります。魔物は、時間を止めて大前田君にささやきます。「次の9回裏でサヨナラ逆転満塁ホームランを打たせてやろうか」。しかし大前田君にとって甲子園は子供のころからのあこがれ、あくまで純粋でありたいと悩みます。9回裏の攻撃2アウト満塁、そして大前田君の打席。葛藤する大前田君、ここでホームランを打てば一転して大ヒーローです。2ストライクまで追い込まれた大前田君、とうとう魔物と契約を交わす決心をするのですが……。
【聴きどころ】
自ら熱心な高校野球ファンだという錦之輔さん、噺をリードするアナウンサーの実況ぶりも堂に入り、甲子園球場の雰囲気を臨場感たっぷりに演出しています。噺を聴いているといつのまにか主人公に感情移入させられて、5万人の観衆の声をバックに、あたかも自分自身が魔物と1対1の会話を体験しているかのような錯覚に陥ってしまいます。
【もうひと言】
まくらでは、高校野球を題材にした「ドカベン」「あばれ!隼」「アパッチ野球軍」などの熱血スポ根マンガを相手に漫才ふうの突っ込みを入れまくり、会場は爆笑の渦となりました。
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