珍解釈もご隠居の芸? (落語随談付き)
【あらすじ】
金さんが町内のご隠居のところに訪ねてきます。娘が学校で百人一首を覚えたが、ただ覚えるだけじゃつまらないので、歌の意味を調べて友だち同士で発表しようということになって、明日は金さんの娘の番です。歌の“わけ”を娘に教えてやりたい、ついては在原業平の「千早振る 神代もきかず 竜田川 からくれないに 水くぐるとは」はどんな“わけ”ですか? じつは知らないご隠居、そうとは言えず、なんとかはぐらかして金さんを帰してしまおうとしますが、うまくいきません。仕方なく、「竜田川というのは相撲取りで、横綱になるために女を断っていたが…」と妙な講釈を始めます。
【聴きどころ】
マクラで「じゃんけんをすると日本人がアメリカ人に勝つ」説が解説されるのですが、早くもご隠居の役に入っているのか、それとも師匠の地なのか。みのもんたネタなど、ところどころに織り込んだクスグリも効いていて、古典の定番「千早振る」をここまで換骨奪胎してしまうのも、鯉昇師匠ならでは。「追い詰められて開き直る」状況の人物のおかしみが鯉昇師匠の本領かもしれません。
【もうひと言】
もともと陽成天皇の「筑波嶺の峰より落つるみなの川 こいぞつもりてふちとなりぬる」という歌を解釈する前半があるそうです。百人一首の珍解釈は、いろんな笑い話の主題になっています。
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