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その幽霊は愛嬌たっぷりいい女 (落語随談付き)【あらすじ】
千葉の流山に行った町内の若者が「“皿屋敷”ちゅうのを知っとるかね。……あれ、おめえ江戸者のくせに皿屋敷知らねか」と馬鹿にされて帰ってきます。町内のご隠居に聞くと、そのいわれを教えてくれました。番町の旗本・青山鉄山のお屋敷に勤める女中のお菊はたいへんないい女。岡惚れをした鉄山のいいなりにならなかったお菊は、家宝の皿を一枚なくしたとぬれぎぬを着せられて責められ、なぶり殺されて井戸に投げ込まれてしまう。そのお菊の幽霊が井戸から毎晩あらわれて、うらめしそうに一枚、二枚と皿を数えるようになった。そのせいで鉄山は狂い死にしてしまう。今でもその幽霊が出て、九枚まで数えるのを聞くとその場で狂い死にしてしまうということだ……。おっちょこちょいの若い衆連は、幽霊は怖いけれど“いい女”見たさで、おっかなびっくり皿屋敷に行ってみると、これが評判通り。「怖かった……明日も行こう」なんていうことになります。口コミでどんどん見物人が増え、あげくには興行師が客を仕切る一大イベントにエスカレートしていき……。
【聴きどころ】
皿屋敷は連日大入り満員という騒ぎ。お菊が登場して皿を数え始めると「待ってました」「いっそ俺を殺してくれい!」などとはやし立てて、まるで芝居見物のよう。お客が入るようになってだんだん芝居っ気を出して行くところ、開き直ってふてくされるところなど、愛嬌のある幽霊です。
【もうひと言】
もとは播州姫路を舞台にした上方噺という説があります。桂春団治師匠らもよく掛けるようです。上方では若い衆連の騒ぎに重点を置くようですが、雲助師匠は余計なクスグリなしの直球勝負です。
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