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はじめに
己の欲望のままに権力をふるい、暴虐な政治で民衆に地獄の苦しみを与える――そんな恐るべき君主を人は「暴君」と呼ぶ。
古今東西、暴君と呼ばれる人物は少なくないが、本書ではその中でも選りすぐりの14人を取り上げている。遥か昔、紀元前のヨーロッパにおける暴君から、いわゆる「独裁者」と呼ばれる近代の暴君まで、幅広く選定した。
ローマ放火の罪をなすりつけた上にキリスト教徒を恐るべき方法で虐殺したネロ、不老不死の薬が見つからないからと400人以上の学者を生き埋めにした始皇帝、町の住民すべてをなぶり殺しにして6万人以上を葬り去った雷帝イヴァン、尖った柱を肛門から突きさす「串刺しの刑」が大好きだったドラキュラ公……。
調べれば調べるほど出てくる、目を覆い、耳をふさぎたくなるほどの残虐行為の数々。いったい、人はどこまで残酷になれるのだろうか。
また、遠い昔の話ばかりではなく、ポル・ポトやスターリンなどが行った、形式だけ法律に乗っ取った虐殺もタチが悪い。自白を強要する拷問の凄まじさ、理不尽さには、思わず目をそらしたくなったほどだ。
特に怒りを覚えたのは、何百万人もの民衆を苦役に駆り出しておきながら、自身は賛沢三昧に明け暮れる暴君たちの姿だ。本書に登場する唯一の女性である西太后は、戦後の貧困で苦しむ国民に目もくれず、自身の誕生日パーティに15億円を浪費した。もちろん、すべて国民の血税によってである。
とはいえ、本書はただ闇雲に暴君の非道な行為をあげつらっただけのものではない。
ここに収録した人物たちは、歴史的な事情によって実像を歪められた人物、もっといえば、後年になって暴君に仕立て上げられたような人物もいる。そんな彼らの様々な事情や歴史的背景を考慮し、できるだけ公平に、そして多角的に考察した。
従来のイメージを覆すような内容も紹介しているため、最近よく目にするような、明らかに眉唾ものの情報を (恐らくそうと知りながら) 歴史上の人物に押し付けている雑学本とは一線を画した、読み応えのあるものに仕上がったのではないか、と自負している。
暴君たちの残虐非道な所業と、不意に見える意外な素顔。彼らが国を治めた時代を知ることで、平和な現代を生きる我々が学べることは決して少なくないだろう。
それでは、恐ろしい暴君たちの世界をたっぷりとご堪能いただきたい。
内容
暴君の代名詞、古代ローマ皇帝ネロからヒトラーやポル・ポトなどの近代の独裁者まで、14人の人物の素顔に迫る。他に類を見ない“暴君列伝”です!
著者紹介
山口智司(やまぐち・さとし)
1979年、兵庫県生まれ。ライター兼編集者。人物・歴史の裏側の研究をライフワークとし、トンデモエピソード収集家でもある。著書に『トンデモ偉人伝―天才編―』『トンデモ偉人伝―作家編―』『世界伝説コレクション』『人生を奮い立たせる アウトロー100 の言葉』がある(すべて彩図社)。
※本商品は「教科書には載せられない暴君の素顔」(彩図社刊 山口智司著 ISBN:978-4-88392-625-1 237頁 1,365円(税込))をオーディオ化したものです。
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