内容紹介
鏑木本シリーズの第4弾である本書の特長は、著者自身の過酷な経験や、著者が
見聞した話をもとに語られている“ある種の教訓”にある。悩み、苦しみ、それを
克服した者だけが口にできる妙な“説得感”がここにある。
相場における「喜」とは何か。「怒」とは何か。「哀」とは何か。「楽」とは何か。
そして「喜怒哀楽」とは何かを感じ取っていただきたい。あなたにとっての
「喜怒哀楽」を見つけていただきたい。
あとがき
この本は平成2年に出して、やはり3〜4回、版を重ねた。
「落ち目のソロバンをはじけるか」という問題から、「相場の曲がり」について盛んに考えていたころ書いた本である。たくさんの方々から、読んだ後のお手紙をいただいた。それらを封筒に入れて今でも大切にしてある。
復刻のお話をいただいて、やはり全部を読み返してみた。そして、これならいけると思った。むしろ、新鮮さを感じる項目も多かった。なかでも、「ピンチからの脱出」は、そのころまで相場を張りまくっていて、常にピンチに陥り、頭を抱えたりしていたころの話であるから、かなり詳細に書かれていた。「余程、相場を張って苦労してこなければ、ここまでは書けない」と、言われたこともある。確かに、相場を張って、張って、張りまくった、泥まみれの人生を私は送ってきたのである。
追証、追証の鬼に終われて、借金、借金、借金。来る日も来る日も借金に走った。ある年の年末には、大きな追証に攻められた。そのとき、「ボクの銀行はもう閉まっている。年が明けたら入れる」と返事をした。それが名文句だったようだ。「ボクの銀行はもう閉まっている」の言葉に、相手は「追証を1週間延ばしましょう」と。その人も苦労人だった。
やはり、この『相場喜怒哀楽』もよく売れた。売れたのはいいが、会社が貧乏で、
自社で出した本は一銭も印税をもらっていない。
目次
先物相場は人間心理の売り買い
ペテロよ、あなたに言っておく
プロはゼノンの逆説
八卦は大宇宙の構造モデルか
新月・満月・血が騒わぐ
材料の効き目はその場限り
相場のエネルギー変換
期待と期待はずれが相場のエネルギー
大公案『相場は相場に聞け』
相場の張り方、三割高下戦法
神様の手落ち、脳細胞の磁気
下士官の人間像と相場師
なぜ出る場所を何回も変えるのか
地磁気と相場。確率の科学
予知、予覚能力の限界
予覚能力の消えるカーテン
勢い使い尽すべからず
白い猿と普通の猿
心配という檻の中
衰運の兆候の見分け
正作用と副作用
ニコニコ組と腹立て組
落ち目のソロバンをはじけるか
攻めながら守りを考えた時が怖い
あきらめた者は勝てない
本間宗久「三位の秘法」
堂島での宗久
食えなんでも食いたい
鍬で味噌掘るように儲かった
松辰・開運大法則
メイファーズの思想
変化の法則
相場が相場でなくなる瞬間
達人でも休みが出来ない
幸運はつらなってくるが
お金持ちは決してバラ色世界でない
税務署来るかと稲荷に聞けば
富士山頂から琵琶湖の湖底
『チャートは無限だと思います』
神や仏を求めぬ者なし
値頃観無用のこと
明日をわずらう事なかれ
備前の殿様
幾山河越えさり行かば
持って生れた性格に手こずる
夜は冷めたい心は寒い
名が轟くと遠からず没落する
セールスの悪口を言うな
相場が見える時に弾はなし
マホメットの啓示によるイスラム暦
仕掛け前のエントロピーは大きい
誰もが判ったら相場にならない
曲がりという病気
昔は劔の道、今は相場難儀道
曲がりの内容いろいろ
曲がり屋の焦り
曲がりの病気治療法
相場師の運勢
相場の絶対性
誰にでもある絶望の座席
亡びの美学
吉兆・凶兆のこと
徹底的な自己管理の世界
腹を立てると必らず運勢が落ちる
無理を重ねるとツキは逃げる
ピンチからの脱出
資金と建玉の配分
暦を見る老猟師
江戸期の大富豪の思想
水に落ちた犬は叩け
あれこれ考えず流れに乗るだけ
人生に志があるか無いかの違い
相場の神様のこと
誰もが、じっとしておれない時
パニックの理論
トータルで勝つ
耐えて勝つ
“セリ”のない淒味
相場にも白の時間がある
浮き沈みの究極は運である
お前の絵はしゃべり過ぎだ
天狗になったら相場は見えない
相場する人は気の鍛練と養生が生命
静かでない生活が相場の敵
魔神の大好物は有頂天
喜仙院の教訓
不利運時、買い玉の投げかた
大富は天にあり
人間の”安もの”
忍耐の忍を感じない状態が本物
いかに、しのぎ、生き残るか
蚊がとまっても崩れる
戦いの終末点を考える
老易者”一閑堂”
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