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内容紹介
作品の中心に金銭をすえた「大つごもり」では、貧富の両極が構造的に明示され、現実的な人間の営みが描かれる。主人公お峯を中心に金銭をめぐる人間模様が大晦日の決算日に集約された樋口一葉代表作品のひとつ。 あらすじ
早くに両親と死別し、伯父の家で育てられたお峯(みね)は、奉公人に冷たく厳しいと評判の山村家に奉公へゆき、不平もこぼさず働いている。伯父が病に臥し困窮していることを知ったお峯は、主人である御新造(ごしんぞ・山村家の後妻)に大晦日に二円の金を借してほしいと頼む。いったんは承知した御新造だが、大晦日当日になると白を切り、金を貸さない。途方に暮れたお峯は、掛け硯の引出しにある二十円のうち二円を取り出し、金を受け取りにきた幼い従弟・三之助(さんのすけ)に渡してしまう。やがて決算の時がきて、お峯は観念して罪を白状しようと覚悟するが、掛け硯の引出しに金はいっさいなく、引出しの金はすべて受け取ったという山村家の放蕩息子・石之助(いしのすけ)の受取書が一通あるだけであった。 【作者】樋口一葉(ひぐち・いちよう)
1872年(明治5年)〜1896年(明治29年)。小説家。東京生まれ。本名、樋口奈津。父や兄を早くに亡くし、女戸主として生活に苦しみながらも筆一本で生計をたてようと志し、24年という短い生涯の中で、小説22作品と多大な日記などを書き残す。歌塾「萩の舎(はぎのや)」で中島歌子に和歌や古典文学を学び、朝日新聞の小説記者である半井桃水に小説の指導を受ける。一時、生活苦のため小説をあきらめ雑貨店を営むが、のちにその経験を活かし「たけくらべ」「にごりえ」「十三夜」などの秀作を次々に発表し、文壇から絶賛される。しかし、その絶頂期に肺結核のため、24歳で夭逝する。一葉の死後、妹の邦子(くに・国子)が一葉の草稿や日記を保存・整理し、その出版に尽力した。 |
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