おやこで聴きたい日本の怖いむかしばなし
ただ怖いだけじゃない、誰もが知っている妖怪話から、聞いたこともない埋もれたあんなお話まで。実話怪談 百語りの名手 城谷歩がこども向けのちょっと怖いむかしばなしを、落語のように楽しく聴かせてくれるお話集です。
対象：小学1年生以上
内容紹介
「足あらいやしき」(10分)
江戸のむかし、あるおさむらいさんの家では夜中になると天井からドタドタバタバタと大きなもの音が聞こえてきます。こわくて、家のものたちがふるえていると、そのうちバリバリドカーン！
天井いたがわれて、大きな足がニューっと出てきて「足をあらえ〜」と。
「ドクロの舌」(6分)
むかしむかし、えらいお坊さんのところへ旅のしゅぎょう僧がやってきました。弟子にしてくださいといいます。1ねんかんのしゅぎょうを終えてふたたび、その僧は旅に出ましたが、そのうちに山の中から姿は見えないのに
ありがたいお経がきこえるようになりました。えらいお坊さんが見に行ってみるとなんとしゃれこうべがカタカタ言いながらお経を唱えておりました。
「おくりちょうちん」(10分)
むかし、夜はまっ暗でした。でんきもないから、ちょうちんがないと歩くのもたいへん。ある日ちょうちんをわすれたよっぱらいの男が、お寺のそばにさしかかると、少しさきにちょうちんを持ったきれいな女の人が立っています。「これはありがたい」かえり道いっしょに歩かせてもらおうとその女の人に近づきますが、どんなに走っても追いつけないのです。
「消えたずきん」(7分)
むかし、らんぼうものできらわれていた源次という男がいた。あるとき、同じ村のよへいじとまごぞうが立山という地獄めぐりでゆうめいな山に出かけて行ったすきを見て、よへいじの家にしのびこみ、たきぎを盗んで帰るとちゅう、風もないのにかぶっていたずきんがひとりでに飛んでいってしまいました。その日から源次はおそろしい地獄のけしきを見るようになったのです。
「おおきな手」(8分)
むかし、きしゅうの猟師がてっぽうをかついで、イノシシ狩りをしようと山に入りましたが、ちっともえものがとれない上に、道に迷ってこまっていると、小さな山小屋を見つけてひとばんの宿をたのむことにしました。
住んでいたのはおばあさん一人。中にあんないされて、いろりのそばにこしをおろすと、いろりにまきをくべるおばあさんの手がニョキ！大きくなったではありませんか。
「のぶすま」(7分)
むかしむかし、二人の男たちが山のぼりに出かけました。もうすぐてっぺんにつくころ、つかれた二人は川べりの大きなひらたい岩をみつけたので、そこで少し休むことにしたそうです。見れば二人が横になるのにちょうど良い大きな油紙がしいてあります。きっとだれかの忘れものにちがいないと、気にせずにこしをおろしたまでは良かったのですが……。
「いそ女」(8分)
むかし、きゅうしゅうのある地方では夜になったら船をとめるときにともづなを結わえてはいけないという言い伝えがありました。ともづなとは、船とりくちをつなぐ太いなわのことです。ある日その言い伝えをむししていっそうの船がいその近くに船をとめていかりをおろし、ともづなもキッチリゆわえてしまいますと、夜中のこと、ズリ……ズリ……誰かがともづなにはいつくばって船に近づいてきたのです。
「十六人谷」(8分)
むかし、やすけというおじいさんが、若い女にじぶんのわかい時のことを話しだしました。やすけはむかしきこりをしていた。あるひ、きこりのなかまがとつぜん死んでしまったのでなかまたちが十五人あつまっておとむらいをしました。その晩のことです。どこらともなく若いきれいな女があらわれました。ほかのなかまたちはみな眠っていてきづきません。やがて女はやすけにあるお願いごとをささやいたのでした。
城谷 歩（しろたに わたる） プロフィール
1980年2月16日生 北海道小樽市出身
15歳から舞台演劇を中心に俳優活動を始める。
その後、劇団深想逢嘘(2000年〜2011年)を発足、主宰を務める。
様々な職種を経て2012年1月怪談師デビュー。怪談ライブバー スリラーナイト札幌本店で活動後、2014年から同六本木店オープンに合わせ上京。
外部出演、独演会開催、メディアへの出演多数。
2018年独立。公演情報などはHPにて。
http://shirotani-kwaidan.com
■メディア
・「所さんの目が点」
・「大人養成所バナナスクール」
・「Rの法則」
・「柴田阿弥の金曜thenight」
他多数
■書籍
・恐怖怪談「呪ノ宴」(竹書房 単著)
・怪談師恐ろし噺「裂け目」(竹書房 単著)
■DVD
・「怪奇蒐集者」(楽創舎)
・「六本木怪談 呪・祟」(楽創舎)
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64分 8ファイル 2021年8月発売
