市朗怪全集とは
実話系怪談のパイオニア、『新耳袋』シリーズの著者の一人が、語りで送る怪談全集!
1990年代に巻き起こったJホラー・ブームを牽引した実話怪談界の大御所が、満を持して登場する!!
全てが実話。この現代に現れた闇と異界の世界を聴け!!
内容紹介
汚い部屋(17分)
ある専門学校生が、友人の部屋に遊びに行くとそこは汚部屋だった。
しかし本棚の中だけは埃一つなく片付いている。
友人は「女が片付けてくれている」と言う一方で、その女の正体は知らないという。
二人でその正体を見てみようとしたが。
短い蝋燭(7分)
ある主婦が祖母と話をしていると「あの子の蝋燭、短いねん、三歳かな」と言って、祖母が消えた。「あっ、おばあちゃん、去年死んだやん」
そうなると、祖母の言葉が気になって来た。
長男の三歳の誕生日の翌日、それは起こった。
旧家の夜(8分)
ある人が京都郊外の友人宅に泊まった時の事。
夜中、なんとなく違和感を覚えて目を覚ましたその真っ暗な部屋の中に、何かがいる。
おぼろげに見えてきたのは、幾多の亡霊たち。
朝、そのことを友人と家族に話してみると、意外な反応が。
ホスト(18分)
ある女性の元に贔屓にしているホストから電話があった。
酔っぱらっていて「車を運転して神戸の家へ送ってほしい」と言う。
女性は言われたとおり、ホストを助手席に乗せて神戸に向かうが、その先で彼女はとんでもない異界を見るのだった。
拉致された(16分)
天体観測の為、とある山に来たある家族。そこに山には似つかわしくない軽装の若い女性が現れる。「風呂からの帰りに拉致され、ここにいる」と言う。
すぐに女性を保護して警察に通報したが、後に警察からこの女性について信じがたい正体を聞かされることになる。
カエシテ(7分)
俳優のKさんが、いつも通りかかる交差点に、枯れた花が手向けたままになっているのを見つけ、取り換えた。「ええことしたな」と少しいい気分になった。
ところが、その直後から謎の女がガラスや鏡越しに見えるようになり、やがてさらに女が何かを言っていることに気がついた…。
サキダキョウコ(13分)
僧侶の資格を持っているHさんのもとに一本の電話があった。
相手は知り合いFさんという男性だったのだが、彼は妙なことを言って電話を切った。
心配になってFさんの家に行ってみると、彼は無事だったが「昨日、墓場で寝ていると奇妙なことが起こった」などと言う。
一家四人(15分)
ある女性は、若いころ心霊スポット巡りが趣味だったという。
その日も友人数人と、「出る」と噂のトンネルへと入ってみた。
しかし怪異らしい怪異は起こらなかったが、トンネルを抜けたところに家が建っているのを見つける。その二階から、電灯を逆光にして一家四人がこっちを見ている。
うるさい自分たちを咎めているとその時は思ったが、後にトンネルではなくその家がスポットだとしらされ…。
赤い手袋(15分)
ある女性が、幼いころ父と一緒に雪の積もる山に登った時のこと。
片方だけの真赤なニットの手袋を拾った。何気なく持ち帰って母に見せると何故か泣き出したのだという。
訳を聞くと、これは亡くなった幼友達のものに間違いないという。
母は戦後間もなくの子供の頃の記憶を語り始めた。
中山 市朗(なかやま いちろう) プロフィール
作家、怪異収集家
1982年、大阪芸術大学映像計画学科卒業。映画の助監督や黒澤明監督の『乱』のメイキングの演出などに携わる。
1990年、扶桑社から木原浩勝との共著で『新耳袋〜あなたの隣の怖い話』で作家デビュー。『新耳袋』はそれまでただ怪談で括られていたものから、実話だけにこだわり百物語を一冊の著書で実現化させた。
『新耳袋』は後にメディアファクトリーより全十夜のシリーズとなり復刊。『怪談新耳袋』として映画やドラマ、コミックとして展開。
Jホラーブームを作った作家や映画監督に大きな影響を与え、ブームをけん引することになる。
著書に『怪異異聞録・なまなりさん』『怪談実話系』『怪談狩り』シリーズなどがある。
怪談は語ることが重要と、ライブや怪談会、放送などでも積極的に怪談語りを行っている。その他の著書に『捜聖記』『聖徳太子・四天王寺の暗号』『聖徳太子の「未来記」とイルミナティ」など多数。
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