[オーディオブックCD] 夏目漱石「夢十夜」
夏目漱石
パンローリング
CD
2枚 約89分 2009年11月発売
本体 1,500円 税込 1,650円
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内容紹介
夏目漱石の異色の短編小説『夢十夜』の音声版
第一夜から第十夜まで、10コの夢のお話
夢か現か幻か…
ふしぎな空間を彷徨い歩く、漱石エッセンスたっぷりの夢の世界
漱石が約100年前に見た夢の世界へ、どうぞいってらっしゃいませ
Disc1
★第一夜
こんな夢を見た。腕組をして枕元に坐っていると、
仰向に寝た女が、静かな声でもう死にますと言う…。
★第二夜
こんな夢を見た。和尚の室を退がって、廊下づたいに自分の部屋へ帰ると
行灯がぼんやり点っている。片膝を座蒲団の上に突いて、灯心を掻き立てたとき、
花のような丁子がぱたりと朱塗の台に落ちた。同時に部屋がぱっと明かるくなった…。
★第三夜
こんな夢を見た。六つになる子供をおぶってる。たしかに自分の子である。
ただ不思議な事に、いつの間にか眼が潰れて、青坊主になっている。
眼はいつ潰れたのかと聞くと、「なに昔からさ」と答えた…。
★第四夜
広い土間の真中に涼み台のようなものを据えて、
その周囲に小さい床几が並べてある。台は黒光りに光っている。
片隅には四角な膳を前に置いてジイさんが一人で酒を飲んでいる…。
★第五夜
こんな夢を見た。何でもよほど古い事で、神代に近い昔と思われるが、
自分がいくさをして運悪くまけたために、いけどりになって、
敵の大将の前に引き据えられた…。
Disc2
★第六夜
運慶が護国寺の山門で仁王を刻んでいると云う評判だから、
散歩ながら行って見ると、自分より先にもう大勢集まって、
しきりに下馬評をやっていた…。
★第七夜
何でも大きな船に乗っている。この船が毎日毎夜すこしの絶間なく
黒い煙を吐いて波を切って進んで行く。凄じい音である。
けれどもどこへ行くんだか分らない…。
★第八夜
床屋の敷居を跨いだら、白い着物を着てかたまっていた
3、4人が、一度に「いらっしゃい」と言った…。
★第九夜
世の中が何となくざわつき始めた。今にも戦争が起りそうに見える…。
★第十夜
庄太郎が女にさらわれてから7日目の晩にフラリと帰って来て、
急にどっと熱が出て、床に就いていると言って、健さんが知らせに来た…。
夏目漱石(なつめ・そうせき)
日本の小説家、評論家、英文学者。森鴎外と並ぶ明治・大正時代の文豪である。1867年(慶応3)江戸牛込馬場下横町(現在の東京都新宿区喜久井町)に生まれる。本名は夏目金之助。東京帝国大学英文科卒業後、東京高等師範学校、松山中学、熊本第五高等学校などの教師生活を経て、1900年、イギリスに留学。帰国後、第一高等学校、東京帝国大学の講師を務める。1905年、処女作『吾輩は猫である』を発表。翌年『坊っちゃん』『草枕』を発表。1907年、教職を辞し、朝日新聞社に入社。以後、朝日新聞に『虞美人草』『三四郎』『それから』『門』『彼岸過迄』『行人』『こゝろ』『道草』などを連載するが、1916年(大正5)12月9日、『明暗』の連載途中に胃潰瘍で永眠。享年50歳。
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