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「A.I.は一人ひとつまでしか所有してはならない」 政府が新しく出した法律。 その施行まであと1週間を切っていた。 それまで各社が出していたA.I.を好きに使っていた国民は、自分のA.I.をひとつに絞らなければならない事態に直面した。 新法律施行までの数日をマルチ視点で描く近未来短編集。
【エピソード1 お市と光姫】 今野聡が愛着を持っていた「お市」と「光姫」という2つのAI。 そのどちらかを1つ選ばなければならなかった。 どちらを残すか悩む聡とお市と光姫。 聡が出した答えとは? 【エピソード2 あけみとしおり】 A.I.の「あけみ」と「しおり」。 裕介のもとに残るA.I.としてどちらがふさわしいか話し合っている。 その昔、誰かが言った。「残る者は最も強い者ではない…」 果たしてどちらが残り、どちらが消されるのか? 【エピソード3 朔夜と美月】 ある夜、親友の梓から美夜子に通信が入る。 AIの所持は1つまでについての相談だった。 朔夜と美月という2つの執事型AIを持つ美夜子が出した結論とは? 【エピソード4 キャリアピジョン】 所持できるAIがひとつまでになることにより防がれる犯罪もある。 捨てAIによる巧妙な成りすましアカウントの消滅。 その消滅前に犯人を暴こうとする女性がいた。 【エピソード5 百合と咲良とリサ】 明夫は元カノたちの名前を付けたAIを多数所持し、まるで恋人のように過ごしている。同棲中の恋人百合の抗議も聞き入れない。 しかし、人工知能所持制限法によってAIは一人ひとつまでしか所持できないことになった。明夫にとって一番大切なものとは。 【エピソード6 マムとジン】 歩果は幼いころに両親を亡くした。彼女にとっては両親が持っていたスマホに残るAIたちが家族同然の存在だ。 人工知能所持制限法はそんな細やかな幸せを壊そうとしていた。ある日、歩果に悪魔のささやきが忍び寄る。 【エピソード7 アリアとベッキーとルーシー】 とある女子校の裏の姿はIT系スパイの養成機関。 AIと共に任務を行う少女たち。ある日、人工知能所持制限法が出来て……。 【エピソード8 マザー】 世間を騒がせた法律が施行されて一ヶ月が経過した。 立案に奔走した「一ノ瀬 守」は、とある生配信を眺めながら思う。 悪法なことは分かっている。それでもやらなくちゃならなかったんだ。 人工知能所持制限法。 その、真の目的とは―――? 【エピソード9 エピローグ】 今宵、ある飲み屋で1か月前に起きた「人工知能所持制限法」の裏で起きていた事について盛り上がっていた。 それぞれの選択に起こった出来事のその後。
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