市朗怪全集とは
実話系怪談のパイオニア、『新耳袋』シリーズの著者の一人が、語りで送る怪談全集!
1990年代に巻き起こったJホラー・ブームを牽引した実話怪談界の大御所が、満を持して登場する!!
全てが実話。この現代に現れた闇と異界の世界を聴け!!
内容紹介
廃工場 (11分)
Mさんという人がフィルムで映画を自主制作した。廃工場でロケをした現像が上がり、見てみると、なんとこの工場が稼働しているところが撮影されていた。
サブリミナル (10分)
ある映画研究会の学生たちが映画を撮って、試写会を行った。何故か「怖かった」「あの女はなんだ」という感想が多かった。この映画は恋愛もので怖いシーンなどない。ところが原因を調べてみると信じられないことが…。
廃工場・その2 (7分)
会社役員のAさんが40年ぶりに故郷の下町に足を運んだ。子どもの頃ここに廃工場があった。よく遊んだ場所だが今は更地になっていたはずだったのだが、あの廃工場が目の前にあった。しかも…。
怪しいホテル (17分)
Kさんは以前、今でいうブラック企業に勤めていた。早朝出勤のため会社がホテルを用意してくれた。ところがこのホテルには「出る」と噂されていたのだ。Kさんも体験したそれは…。
ドアの前 (6分)
ある映画の撮影のためにスタッフや役者が同じホテルに泊まっていた。真夜中、監督のHさんのもとに女優さんから内線があった。彼女の部屋は彼の真上の部屋だ。「怪しい人がドアの前に立っているから来てください」という。行ってみるとそこには。
1213 (5分)
あるホテルマンが職場の話をしてくれた。そのホテルには開かずの間があるという。そこは鍵がかけられたまま一度も開いたことが無い。古参の従業員もそれをタブーとして触れない。しかし夜中になるとその部屋から内線が掛かってくるのだ。
三本の杉の木 (8分)
Mさんは松山市近くの山道を車で通勤している。帰りの道、その山道にボールのようなものが転がって来てMさんの車のフロントガラスに当たって砕けた。それは、会社の後輩の首だった!翌日出勤してみると…。
乗車拒否 (6分)
あるタクシーの運転者は、真夜中の国道を空車で走っていた。その道端にスーツ姿の中年男がこっちを見て手を挙げているのを見た。しかし彼は乗車拒否をした。そうしなければならなかった理由を語ってくれた
姉からの電話 (10分)
作家のSさんが小学生になったころのこと。一家で出かけることになったが、Sさんは「留守番できるよ」と言い張った。実は一人でテレビ見放題をしたかったのだ。Sさんを置いて家族は出て行った。その夜、姉から電話があったのだが、それは実に奇妙なものだった。
おばあちゃんの電話 (9分)
携帯電話が普及する前のこと。夕方Mさん一家がくつろいでいると電話が鳴った。長男の息子で出る。田舎のおばあちゃんかららしい。ところが会話中長男は突然苦しみだした。妻が変わったら妻も苦しみだした。おばあちゃんは呪いの言葉を発していた。
携帯電話の持ち主 (10分)
芸人のSさんは売れない頃、阿佐ヶ谷のアパートで暮らしていた。夜中、携帯電話が鳴った。非通知。続いたので着信拒否をした。すると番号表示で掛かってくるようになった。ここから物理的に不可能な電話主からだと知ることになる。
ドアホン (14分)
Fさんは郊外の一軒家に家族と住んでいる。そのドアの横に新聞受けが備え付けてある。しかしここ10年新聞はとっていない。なのに真夜中に新聞がポストに入る音がする。そして同時にチャイムも鳴るのだ。子どもが怖がる。なぜならば…。
中山 市朗(なかやま いちろう) プロフィール
作家、怪異収集家
1982年、大阪芸術大学映像計画学科卒業。映画の助監督や黒澤明監督の『乱』のメイキングの演出などに携わる。
1990年、扶桑社から木原浩勝との共著で『新耳袋〜あなたの隣の怖い話』で作家デビュー。『新耳袋』はそれまでただ怪談で括られていたものから、実話だけにこだわり百物語を一冊の著書で実現化させた。
『新耳袋』は後にメディアファクトリーより全十夜のシリーズとなり復刊。『怪談新耳袋』として映画やドラマ、コミックとして展開。
Jホラーブームを作った作家や映画監督に大きな影響を与え、ブームをけん引することになる。
著書に『怪異異聞録・なまなりさん』『怪談実話系』『怪談狩り』シリーズなどがある。
怪談は語ることが重要と、ライブや怪談会、放送などでも積極的に怪談語りを行っている。その他の著書に『捜聖記』『聖徳太子・四天王寺の暗号』『聖徳太子の「未来記」とイルミナティ」など多数。
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