内容紹介
童話作家の笹本静雄が殺され、妻の笹本芳枝が誘拐された。
犯人はモジャモジャ頭で釣鐘マントの男だ。
探偵小説家・大江百虹の調べで、その正体が夏目太郎と判明する。
夏目は芳枝とはいとこにあたり、身寄りがなく叔父にひきとられていた芳枝と一緒に育ち、ゆくゆくは芳江と結婚することになっていた。
だが、夏目には精神異常の気があり、極端に緑色を好んだ。着る衣服はすべて緑づくめで、住む家も緑に塗りたくるという不思議な執着を持っていた。
夏目は自分を捨てて笹本と結婚した芳枝をうらみ、ついに凶行に及んだのだ。
大江百虹の活躍もあり、緑衣の鬼――夏目は幾度となく追い詰められるが、そのたびに魔法をかけたかのような謎の消失劇を演じ、逃走をかさねる。
なおも芳枝をつけ狙う緑衣の鬼にたいし、大江百虹は名探偵乗杉龍平に協力を要請するのだが……
オーディオ版特典 リスト付
本オーディオブックには、『緑衣の鬼』-「疑惑」-「〇犯人の出現せる状況と目撃者一覧表」で読み上げている表をpdfにし、
より深く理解いただけるようになっております。
※PDFは音声とともに入っております。
江戸川乱歩(えどがわ・らんぽ)
日本の推理小説家。1894年10月21日生まれ、三重県生まれ。筆名は、19世紀の米国の小説家エドガー・アラン・ポーに由来する。数々の職業遍歴を経て作家デビューを果たす。本格的な推理小説と並行して『怪人二十面相』、『少年探偵団』などの少年向けの推理小説なども多数手がける。代表作は『人間椅子』、『黒蜥蜴』、『陰獣』など。1954年には乱歩の寄付を基金として、後進の推理小説作家育成のための「江戸川乱歩賞」が創設された。
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