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内容紹介

おやこで楽しむ、むかしばなし！

日本の昔話の中から、名作をセレクト。
内容を子どもに分りやすく再編集いたしました。

お子様とご一緒に、お楽しみ下さい。

あらすじ

むかしむかし、ある村のお寺に、びょうきをなんでも治すことでゆうめいな
和尚(おしょう)さんと、その弟子の小坊主がすんでいました。

さて、あるあつい夏の日、和尚さんが弟子の小坊主を連れて、
病人の家から帰る途中のことです。

「暑いのう。こんなに暑いと、病人も弱ってしまうばかりだわい」
「そうですねえ。雨でもふって、一つ涼しくしてほしいものです」

そうして、二人が汗をふきながら、寺への道を歩いておりますと、
さっきまでカラリと晴れていた空が、みるみるねずみ色の雲におおわれ、
突然大粒の雨が降り始めました。

夕立です。

和尚さんと小坊主は、近くに見えていた寺の入り口まで
いっしょうけんめい走りましたので、大切な薬箱は何とか濡れずに済みました。

「ふう、まったくひどい目にあったわい」
「薬箱が無事で良かったですね」
「うむ、まったくじゃ。それにしても、雷さまもぐあいが悪いようじゃな」
「えっ！和尚さま、分かるんですか？」
「うむ、ピカッと光ったあと、すぐにゴロゴロと音がしないじゃろ？
こんなに近くでなっているのに、音が遠いのはおかしいからの。
まあ、こまっているのなら、今夜あたりやってくるじゃろうて」
和尚さんは雷がなっている空を窓から眺めながら、
そうつぶやきました。

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