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内容紹介

おやこで楽しむ、むかしばなし！

日本の昔話の中から、名作をセレクト。
内容を子どもに分りやすく再編集いたしました。

お子様とご一緒に、お楽しみ下さい。

あらすじ

むかしむかし、あるところに、たのきゅうという旅まわりの役者がおりました。
たのきゅうは、あちこちの村をまわっては芝居をしながら暮らしていたそうな。

ある日のこと、旅先に、
「おっかさんが病気になった。すぐうちに戻れ」
という知らせが届きました。

たのきゅうはあわてて宿を飛び出しましたが、
うちに戻るには、山を一つ越さねばなりません。
一刻も早くおっかさんの元に帰ろうと、
どんどこどんどこ歩きまして、何とか山のふもとまで来ました。
しかし、いつのまにか日が暮れてしまいました。

「ここでひと休みしてから、山を越そう」
そう思って近くの茶店(ちゃみせ)に入ると、店のおばあさんが言いました。
「これから山を越すなど、とんでもない。
山にはおそろしいウワバミがいて、人を呑んでしまうそうじゃ」

それでも、おっかさんのことを思うと、じっとしていられません。
おそるおそる山に入っていくことにしました。
少し行くと、ふいに、真っ白い着物を着たおじいさんが現れました。
「おまえは誰じゃ」
「へい、たのきゅうと申します」
「なに！ タヌキじゃと？ うまく人間に化けたものじゃ」
おじいさんはたのきゅうとタヌキを聞き違え、
「わしは、じじいに化けておるが、正体はウワバミじゃ。
おぬしはほかに何に化けられる？
もっとわしを驚かせたら、見逃してやろう」
と言いました。

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