[オーディオブックCD] 道草 [MP3データCD]
夏目漱石
パンローリング
CD
1枚 311分 2020年7月発売
本体 2,500円 税込 2,750円
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内容紹介
「人間の運命はなかなか片付かないもんだな」
唯一の自伝的小説とされる晩年の名作
「道草」は、大正4年(1915年)6月から9月まで『朝日新聞』に連載された長編小説である。イギリス留学から帰国して、東京帝国大学で英文学の講師を務めながら「吾輩は猫である」を執筆していた当時を回顧して自伝的小説として書いたとされる。作品中では愛に飢えた主人公の健三に漱石自身を重ね、養父との確執、自身の夫婦関係も投影したとされている。
海外の留学から帰ってきて、大学で働いている健三は、絶縁した元の養父の島田と会う。もう十五、六年は会っていなかった。健三は声を掛けずに立ち去った。
島田とは、健三の父が今際の際に「絶交したから、向後一切付き合いをしてはならない」と言われた間柄であった。
比田の家に嫁いだ姉のお夏に、島田に会った時のことを話すと、彼は姉のところにも金の無心に現れたという。
家に帰った時、悪寒がして健三は早めに床に入る。その晩、妻に起こされた時に、島田の代理を名乗るものが家を訪れたことを聞かされた。
翌日にはその彼が玄関先にやって来た。吉田虎吉という恰幅のよい四十くらいの男であった。彼は島田の窮状を語り、彼と元通り付き合って欲しいと切り出したのである。健三は返答に窮した。島田が金を無心に来るであろうことは容易に想像できる。だが、健三の家もそれに応えられる余裕などない。だが、過去に島田に受けた恩を思うと、健三は無下に出来なかったのである……。
夏目漱石(なつめ・そうせき)
日本の小説家、評論家、英文学者。森鴎外と並ぶ明治・大正時代の文豪である。1867年(慶応3)江戸牛込馬場下横町(現在の東京都新宿区喜久井町)に生まれる。本名は夏目金之助。東京帝国大学英文科卒業後、東京高等師範学校、松山中学、熊本第五高等学校などの教師生活を経て、1900年、イギリスに留学。帰国後、第一高等学校、東京帝国大学の講師を務める。1905年、処女作『吾輩は猫である』を発表。翌年『坊っちゃん』『草枕』を発表。1907年、教職を辞し、朝日新聞社に入社。以後、朝日新聞に『虞美人草』『三四郎』『それから』『門』『彼岸過迄』『行人』『こころ』『道草』などを連載するが、1916年(大正5)12月9日、『明暗』の連載途中に胃潰瘍で永眠。享年50歳。
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