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なぜトヨタだけが世界の超エクセレントカンパニーとして成長を続けられるのだろうか--
その成功の秘密は、大企業病に陥ったトヨタが生き残りを賭けて取り組んだ
トヨタの10年改革を支え続けた「新トヨタ主義」にあった。
本書は、特にトヨタを知らない若い世代の読者に対して、世界企業である
トヨタ自動車のこの10年改革を成功させてきた奥田碩(おくだひろし)、
張富士夫(ちょうふじお)、渡辺捷昭(わたなべかつあき)という3人の経営トップ
について、そのリーダーシップや経営判断をわかりやすく解説することを目的と
している。この3人は、創業家出身以外のプロパー社長として、大企業病に
侵されつつあったトヨタ自動車の経営改革に取り組み、今なおその経営努力を
続けているトヨタ改革の功労者だ。
「経営は人なり」と言われる。企業経営の成功を知る上で、最も重要で確実なのは、
経営トップを知ることだ。つまり、財務論や組織論といった数値分析だけに
とらわれるのではなく、リーダーである経営者というフィルターを通して
企業経営を見ていくと、思わぬ発見や真実にたどりつくことができる。
〜中略〜
トヨタを事実上、世界最大の自動車メーカーにまで成長させた企業力の秘密は、
70年以上に渡ってトヨタ経営の底流に流れてきた企業憲法である「豊田綱領」と、
世界最強と評価される「トヨタ生産方式」と言われる。しかし、いかに素晴らしい
綱領や理路整然とした生産方式があっても、それを実践し経営改革に取り組んで
いくのは人間の力である。それは、「トヨタ生産方式」によって日々カイゼンに
取り組むトヨタの生産現場の汗にまみれた創意工夫であり、「豊田綱領」の精神を
守りながら、常に経営改革に挑戦し続ける歴代の経営者たちのリーダーシップだった。
まさに「経営は人なり」なのである。
トヨタの強さをいまさら書こうとしても、巷にはいわゆる内外のトヨタ本と
いわれるものが氾濫している。しかし、トヨタ自動車の企業経営を、「経営トップ、
つまり人間というフィルターを通じて見る」という視点の本はそれほど多くない。
本書を読まれた若い読者の方々が、創業者精神である「豊田綱領」を尊重しながら
トヨタの10年改革を求心力とした、3人の経営トップたちの苦闘とカイゼンに
明け暮れた人間ドラマから何かを感じ取っていただければ、筆者として
これほどの喜びはない。
※本商品は「新トヨタ主義の秘密」(こう書房刊 水島愛一朗著 ISBN:4-7696-0903-5 223頁 1,575円(税込))をオーディオ化したものです。
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